フィレンツェ賞展

趣旨

 ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。  このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第18回フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。さらに雪梁舎美術館は新たな飛躍を目指して、平成26年6月にイタリアのフィレンツェ美術アカデミアと日本国内としては初となる提携を結びました。これにより「雪梁舎フィレンツェ賞展」を通じた新たな国際交流と、若手作家の育成に努めます。
 50歳以下、具象系という制限のなか、全国の37都道府県より190点の応募があり、厳正なる審査のうえ、5点の入賞作品をふくむ41点の入選の作品が選考されました。
 入賞、入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。

■展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2016年8月7日(日)~9月25日(日)
【東京展】 東京都美術館 2016年10月12日(水)~19日(水)

■主催

公益財団法人 雪梁舎美術館

■協賛

株式会社 コメリ

■協力

フィレンツェ美術アカデミア

■後援

在日イタリア大使館、イタリア文化会館、新潟県、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、NST、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、エフエムラジオ新潟、FM PORT79.0

第18回雪梁舎フィレンツェ賞展の概要はこちら

応募規格

■応募資格

50歳以下(1965年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。

■作品資格

S100号(162.1cm×162.1cm)以内の絵画(未発表作品)。1人2点まで。

■フィレンツェ大賞(1点)

3ヶ月間のフィレンツェ市での制作活動を支援。
フィレンツェ美術アカデミアでの特別聴講。 (渡航費・滞在費・交通費支給) 
※作品は帰属

■フィレンツェ美術アカデミア賞(1点)

1ヶ月間のフィレンツェ市での制作活動を支援。
フィレンツェ美術アカデミアでの特別聴講。 (渡航費・滞在費・交通費支給)
※作品は帰属

■優秀賞(3点)

賞金30万円

■佳作

 

■入選

 

■オーディエンス賞(1点)

 

展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2016年8月7日(日)~9月25日(日)
【東京展】 東京都美術館 2016年10月12日(水)~19日(水)

受賞作品

移りゆく日 フィレンツェ大賞
「移りゆく日 」
青木 明日香

■作家コメント

  毎日、毎日同じ事の繰り返しの様に思える日々
しかし、目を向ければ微かな きらめき があります。
それは、昨日には気づかず
明日には、訪れないかもしれない
風が吹けば飛んでしまうような、ささやかな事ですが訪れた時、しっかりと私を勇気づけてくれるのです。

■作者略歴

青木 明日香(1975年生まれ)
1975年 神奈川県生まれ
2000年 女子美術大学芸術学部絵画科日本画専攻 卒業
女子美術大学美術資料館 作品収蔵
第16回青垣2001年日本画展
2008年 第34回春季創画展 春季展賞(2013年も)
第19回臥龍桜日本画大賞展 大賞
2013年 第40回創画展 奨励賞(2014年も)
2014年 第16回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選
現在 創画会会友
Tree climbing フィレンツェ美術アカデミア賞
「Tree climbing」
足立 慎治

■作家コメント

 右や左へまっすぐへ、自分の意思で二足歩行を始めた子どもの眼には、何を見ても物珍しく驚きにあふれている世界かと思います。そういう仕草や表情を見ると、大人になり失いかけたものを思い出させてくれます。
 タイトルの《 Tree climbing 》は日本語で木登り。歩き始めたばかりの年齢では実際には木登りは不可能ですが、不思議そうに影を踏んでいる姿に、木登りをする勇気、喜びや怖さ、てっぺんまでは登れないもどかしさなどを感じ取りました。
人生の中で、選択を余儀なくされる枝分かれする道を前にし、踏み出し行動するには少なからず不安や怖さもあることでしょう。
 制作する上で悩んだ時、まずは自分の足もとや周辺を多角的かつ新鮮な眼で観ることを忘れないようにと常々思っています。この絵は、私自身の自画像であり、同時に子どもに対する様々な心の現れと言えるでしょう。

■作者略歴

足立 慎治(1973年生まれ)
1973年 兵庫県生まれ
1996年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 卒業
1997年 第1回熊谷守一大賞展 入選
2004年 さかいでArtグランプリ2004 優秀賞 第16回現代日本絵画展(宇部絵画ビエンナーレ) 入選
2006年 第15回青木繁記念大賞公募展 入選
2008年 第43回昭和会展 招待出品、優秀賞(2009、10年賛助出品/日動画廊)
第53回新世紀展 損保ジャパン美術財団奨励賞
2009年 第28回損保ジャパン美術財団選抜奨励展 出品
2010年 神戸新世紀秋季展 神戸新世紀美術協会賞(2013年も)
2012年 第57回新世紀展 刑部人賞
第50回兵庫県展 大賞(知事賞)
2013年 第10回小磯良平大賞展 入選
2014年 丹波篠山まちなみアートフェスティバル 出品(同2016年/兵庫県篠山市)
2015年 丹波市ゆかりの美術作家たち展 出品(丹波市立植野記念美術館)
個展(西脇市岡之山美術館 開館30周年企画アトリエシリーズ)
明日への夢展Ⅲ 美を継ぐ者たち 出品(兵庫県立美術館 原田の森ギャラリー)
その他、個展・グループ展等
現在 新世紀美術協会会員、日本美術家連盟会員
おおきなちず 優秀賞
「おおきなちず」
尾関 亜也

■作家コメント

  「絵を描くこと」は何らかの形を示すことであり、その示した形から己が何者であるか、何ができるかを確認するための動作でもあります。
ですからこどもはたくさん絵を描きます。手が伸びる範囲、体の動く範囲、自分の大きさ、それらを無意識に認知する行為を喜々として繰り返します。何者にも縛られずに、自由に、体いっぱい伸ばして自分の存在を証明していって欲しいという全てのこどもたちへの願いがこの作品には込められています。
こどもとこどもの描いた絵は莫大なエネルギーを内包しています。それは攻撃的な何かではなく、見る者に同じく自由になれる希望を、体を伸ばせる温かな解放感を与えるものです。私も自分の絵の中のこどもたちに、描いている時にたくさんのエネルギーを貰いました。

自分に何ができるかを知るために、そして貰ったエネルギーを誰かに分けられるように、これからも絵を描いていきます。

■作者略歴

尾関 亜也(1991年生まれ)
1991年 東京都生まれ
2014年 東京学芸大学 入学
第82回独立展 入選(以後毎年)

その他、二人展・グループ展など

BURDEN 優秀賞
「BURDEN」
東條 智美

■作家コメント

 今回の作品は子供に対して、人間社会を生きるという「経験」について、身近なモチーフを使って「荷物」として象徴化し、私なりに大筋以下のようなメッセージを込めています。
『デジタル時代は加速し、大人になるにつれて時間に追われる日々に直面するだろう。眠れない夜があったり、物事が上手くいかずもがくこともあるだろう。でも時には亀の歩みのようにじっくり慎重に進むことも大切だと思う。音楽によって心を癒されたり、また進むべき道を見出すこともある。どんな道であっても身を守り、たゆまず創造をし、大地を思い切り蹴って夢を追い続けてほしい。すべて経験は養分となって思い出の実をつけ、人生の糧になる。そしていつか、色々な「荷物」を一緒に背負って歩むひとを見つけて欲しい。』

■作者略歴

東條 智美(1973年生まれ)
1973年 千葉県生まれ
2008年 画家を志し、国家公務員を退官
2014年~ 作品を埼玉県の総合病院、東京都練馬区の歯科医院にて常設展示
2016年 第4回美術新人賞デビュー2016 入選
終わりの記憶 優秀賞
「終わりの記憶」
中野 修一

■作家コメント

 「描き終えた!」という実感とともに筆を置き、その後、たぶん二度と加筆しようなどとは思わない作品があります。前回の受賞作は、そんな類の作品。
一方で、一応計画通りに描き切ったのだけれども、その後も何と無くモヤモヤとした気持ちが残り、時々取り出して眺めては加筆したり消してみたりして、いつ終わればいいのかわからない作品もあります。
今回の作品は、まさにそんな作品です。

当初から「世界の終わり」みたいなものを意識して描き始め、ずっとそのことを自問自答しながら手を加え続け、たまたま最近気になって、前回の加筆から2年ぐらいぶりに取り出し、眺めたり加筆したりしていた時に「これを機会に終わりにしよう!」と思っての出品でした。

恐竜が絶滅してしまったように、人類もたぶん、いつかこの地上から消えてしまうだろうと思うと、切なさとともに諦めの気持ちがこみ上げてきます。
どちらかといえば楽天的な自分だけれど「人類だけは滅ぶわけない」と言えるほど、お気楽にはなれそうにもないので。

戦争、テロ、原発事故、環境破壊、天変地異....
以前は、もし人類が絶滅するとすれば、そんな大事件が原因だろうと漠然と考えていましたが、今、様々なメディアから溢れてくる情報を見ていると、人類の絶滅は、満員電車や保育園、コンビニやコインランドリーみたいな、きわめて自分たちの身近なところから、すでに始まっているような気がしてなりません。

■作者略歴

中野 修一(1966年生まれ)
1966年 北海道生まれ
2005年 初個展を開催(京都市/以後、東京、兵庫、札幌、秋田などで個展)
2008年 第7回西脇市サムホール大賞展 審査員賞
2009年 第8回熊谷守一大賞展 賞候補
2010年 第28回上野の森美術館大賞展 賞候補(2011年も)
個展(岡之山美術館/兵庫県)
2012年 TOKYO LOVE SHOW(東京/KAB Japanによるチャリティ・アート・ショウ)
2014年 SELECT ART FAIR(ニューヨーク/アメリカ合衆国) 参加
ART INTERNATIONAL ZURICH 2014(チューリッヒ/スイス) 参加
2015年 第17回雪梁舎フィレンツェ賞展 優秀賞
「PICTURE PERFECT」(ミラノ/VIASATERNAでのグループ展)
KIAF2015(ソウル/韓国) 参加
2016年 第34回上野の森美術館大賞展 入選(一次賞候補)

 本年は新潟展・東京展ご来場者様による全展示作品を対象とした、「オーディエンス賞」の投票が行われました。
投票総数884票の集計の結果、草刈美紅さんの「初夏の頃」が選出されました。
草刈さんには記念の盾を贈呈します。
 
※全投票者の中から抽選で20名の方にあたる「第18回フィレンツェ賞展図録」は11月中旬ころの発送とさせていただきます。
(発表は発送をもってかえさせていただきます)

初夏の頃 オーディエンス賞
「初夏の頃」
草刈美紅

■作家コメント

 身近にある風景を描きました。
意識することなく通り過ぎそうな日常の中の自然をきりとり、自分なりの解釈で画面に表しています。
自身が風景と向き合った際の「何か」を、見る方にも感じていただけると幸いです。

■作者略歴

草刈美紅(1992年生まれ)

入選作品リスト

■佳作

井藤 未世子 イトウミヨコ 存在
井上 貴絵 イノウエタカエ 如月
伊庭 広人 イバヒロヒト 展望 248
加藤 愛子 カトウアイコ 牛舎の諠譟
小林 宏 コバヤシヒロシ 月下の華
新島 知夏 ニイジマチカ その物語は続く
畑林 和貴 ハタバヤシカズキ 白の内側
山内 康嗣 ヤマウチヤスシ 秋の散歩道♯5
山口 泰 ヤマグチタイ

 

■入選

桶田 洋明 オケダヒロアキ 輪廻―願い―
片野 莉乃 カタノリノ 昼と夜の雪丘
漢 嘯 カンショウ 三つの世界
菊川 天照 キクガワテンショウ 共に
草刈 美紅 クサカリミク 初夏の頃
草間 奈瑠美 クサマナルミ それは希望か絶望か
小泉 広明 コイズミヒロアキ アルカディア
下村 優 シモムラユウ 慧可断臂
鈴木 ほのみ スズキホノミ Confidential talk 2016
宗田 晃 ソウダアキラ sense
薗田 雅俊 ソノダマサトシ Old friend
橘 つづり タチバナツヅリ 不思議稲荷
田中 陽子 タナカヨウコ ピカデリー広場
塚田 光示 ツカダコウジ Lavatory
築山 佳民 ツキヤマヨシタミ 祈りの島
德田 景 トクダヒカリ deep slumber
中條 敏宏 ナカジョウトシヒロ
中原 未央 ナカハラミオ 透明
西原 東洋 ニシハラトウヨウ Philosopher(哲学者)
沼田 愛実 ヌマタマナミ メロディーライン
蓮沼 祐記 ハスヌマユウキ 収束と離散Ⅰ
服部 篤浩 ハットリアツヒロ ブルーの在る公園
松浪 吉樹 マツナミヨシキ 不動明王くん+
宮本 聡 ミヤモトソウ 群~セレンゲティを往く~
山本 智之 ヤマモトトモユキ いつかのさよなら
吉田 未来 ヨシダミク 時の肖像
吉間 春樹 ヨシマハルキ 女性のいる書斎

お問合せ

お問合せは公募展事務局までお願いいたします。
〒950-1101 新潟県新潟市西区山田451 雪梁舎美術館「フィレンツェ賞展」事務局
TEL 025-377-1888 / FAX 025-377-1881