ルネッサンス文化発祥の地、フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として、「第24回雪梁舎フィレンツェ賞展」を開催いたします。
大賞受賞者には芸術の都フィレンツェ留学を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と、芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。さらに雪梁舎美術館は新たな飛躍を目指して、2014年6月にイタリア国立フィレンツェ美術アカデミアと日本国内としては初となる提携を結びました。これにより「雪梁舎フィレンツェ賞展」を通じた新たな国際交流と、若手作家育成のより強固な体制
がととのいました。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国より164点(うち152点出品)の応募があり、厳正なる審査の結果、5点の入賞作品を含む40点の入選作品が選考されました。入賞、入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますと共に、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を心から祈念いたします。
「フィレンツェ賞展」は、雪梁舎美術館の設立者であり、株式会社コメリの創業者でもある故・捧賢一が発案し、1999年から開始したものです。第21回展よりこれを顕彰し、新たに「ファウンダー捧賢一賞」を設けました。
雪梁舎美術館
2022年7月30日(土)~9月11日(日)
東京都美術館
2022年10月24日(月)~30日(日)
※両会場とも全入賞・入選作品を展示します。
公益財団法人 雪梁舎美術館
株式会社 コメリ
国立フィレンツェ美術アカデミア
在日イタリア大使館、イタリア文化会館、新潟県、新潟市、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、 NST新潟総合テレビ、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、FM新潟77.5
《シンショク》 杉山 花菜 |
ある日、道路に敷かれた白線が劣化してボロボロに崩れているのがふと目につきました。それが妙に美しく感じられ描きたいと思ったのが今回の作品を描いたきっかけです。しかし構成を考えながら思ったのは、人間が便利さを求めて敷いたアスファルトや白線を風雨と時の流れという自然は静かに、しかし確実に壊していく。人間が侵食している世界を、侵食し返していくその力強さは恐ろしくも美しいものだということでした。そのことを念頭に制作をしているうちにあれよあれよと雑草が増え、そこに対抗するように花を踏む人間に捨てられた空き缶などが加わり白線はどんどんひび割れていき、人間と自然の攻防の末、このような着地点へとたどり着きました。
杉山花菜(1994年生まれ) | |
1994年 | 静岡県生まれ |
2020年 | 星槎道都大学美術学部デザイン学科アート専攻 入学 |
2021年 | 第108回日本水彩展一般の部 奨励賞 |
2022年 | 第109回日本水彩展一般の部 石井鶴三賞 |
現在 | 星槎道都大学美術学部デザイン学科アート専攻 在学 |
《いつもの駅》 藤野七帆 |
幼い頃から毎日使ってきた最寄駅には、良いことがあった日や泣きたくなるような日など、様々な記憶が染み付いています。そんな「いつもの駅」をふと外側から覗いてみると、不思議とちっぽけなものに見えました。
なんとなく心が救われたような気持ちになり、描き留めておきたいと思いました。
藤野七帆(1997年生まれ) | |
1997年 | 神奈川県生まれ |
2018年 | 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 入学 |
2017年 | 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 入学 |
2020年 | 第22回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(同2021年) Gallery美の舎学生選抜展2020 優秀賞 |
2021年 | 個展「いつかの旅」(Gallery美の舎/根津) |
2022年 | 東京藝術大学大学院美術研究科日本画研究分野修士課程 入学 |
《言の葉》 前島愛由 |
自然の中に身を置くと、植物たちの葉のゆらめきから、言葉の粒のようなものを感じる時がある。
今作品では文字では書き表せない、植物たちの"言の葉"を絵にしようと思った。
前島愛由(1992年生まれ) | |
1992年 | 埼玉県生まれ |
2014年 | 全国美術大学奨学日本画展2014 奨励賞 |
2017年 | 第4回「未来展-美大の競演」(日動画廊) |
2018年 | 第36回上野の森美術館大賞展 入選 第18回福知山市佐藤太清賞公募美術展 入選 |
2019年 | 多摩美術大学卒業制作・大学院修了制作 学内選抜展 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻日本画領域 修了 |
2021年 | 第23回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選 |
《Thinking》 榊原 孔美子 |
内と外の光をテーマに作品制作を行っています。
外からの陽光を受け温かな雰囲気を纏う室内と、その中に座る人物の心情を描きました。人物と仄かに重なる残像を対比して配置することで、相反する思考に葛藤を感じながらも前進しようとする意志を表しました。また、棘をもつ枝に向かう蝶の羽ばたきは、華やかでありながら危うく、それでも立ち向かう思いの強さを色彩でも表現しようと試みました。
榊 原孔美子(1982年生まれ) |
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1994年 | 第35回日展 初入選(同2006、’09、‘18、’20年) |
2018年 | 名古屋芸術大学美術学部絵画科日本画コース 卒業 名古屋芸術大学卒業制作 買い上げ 第2回前田青邨記念大賞 入選 |
2005年 | 第40回日春展 初入選(同2007、’09、’19、’21、’22年) |
2019年 | 改組新第5回日展 東海展 中日賞 第37回上野の森美術館大賞展 優秀賞・産経新聞社賞 第3回アートオリンピア2019 佳作 第21回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選 第65回全関西美術展 入選 |
2020年 | 第22回雪梁舎フィレンツェ賞展 佳作 |
2021年 | 第8回トリエンナーレ豊橋 入選 改組新第8回日展 特選 ほか、個展・グループ展多数 作 |
現在 | 日展会友、日春展会友 |
《秘密の部屋》 余 統亜 |
この作品は失意の主人公、うさぎの物語です。
うさぎの内面世界を表した「秘密の部屋」は希望と絶望が混ざり合った空間です。
余 統亜(1994年生まれ) | |
1994年 | 中国浙江省生まれ |
2019年 | 第3回アートオリンピア2019 審査員特別賞 三菱商事アートゲートプログラム43、45回 入選 |
2020年 | ロータリー米山奨学金 |
2021年 | 埼玉大学教育学研究科教科教育専攻 修士修了 第18回アートギャラリーホーム 入選 作品収蔵 |
現在 | 筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域 在学 |
新潟展・東京展ご来場者様による全展示作品を対象とした、「オーディエンス賞」の 投票が行われました。
投票総数1,502票の集計の結果、宮原美奈子さんの《絵を描くということ》が選出されました。
宮原さんには記念の盾を贈呈します。
《絵を描くということ》 宮原美奈子 |
この度はオーディエンス賞、本当にありがとうございました。
たくさんの温かい感想に涙がこぼれました。
作品をご覧くださった皆さま、そしてご投票・コメントしてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
絵の道に進むまでに、芸術に関連のない場所で長い道のりを歩んできました。
多くの時間を無駄にしてしまったと、悲しくなる時もありました。
しかし今回の受賞で、今までの経験は無駄ではなく「絵の材料の一部」だと思えるようになりそうです。
これからは大好きな絵を描きながら、生きていきたいと思います。
改めて、美術館に足を運んでくださった皆さま、作品にご投票・コメントしてくださった皆さま、本当にありがとうございました!
柳田 金乃助 | 証(あかし) |
俊 寛 | La mascherata |
高尾 明日香 | 漂う時、いつもの居場所 |
德田 景 | merge -融合- |
仲川 八寿男 | Dance!Dance!Dance! |
佛淵 静子 | ウェザー・リポート |
江越 里南 | アルン |
金子 貴富 | 色を編む |
福永 真久 | ラビリンス |
土井 久幸 | 夏詣の宵 |
野田 真由美 | 牛舎 |
石山 凌 | 猫牡丹 |
永田 恭子 | 平和への願い |
守屋 麻美 | カプセルⅡ |
伊集院 正 | 流転~こととなり |
南雲 まき | 循環 |
井手元 咲良 | 異質3 |
鈴木 ほのみ | かくれんぼ2022 |
陳 璟 | ポーカーフェイス |
横田 宙八 | 曙光 |
松村 和子 | azzurro |
張 画 | 椿 |
関 佳奈子 | ちいさな森 |
七海 和太瑠 | 夏の風 |
谷口 進吾 | vivere |
髙橋 祐希 | 暗闇の未来 |
谷川 真紀 | 光の庭 |
巌 源六 | Put on the wind |
宮原 美奈子 | 絵を描くということ |
五十嵐 朋子 | くじ引き |
福井 悠 | echo |
開藤 菜々子 | いろはに6月1日 |
龍 周毅 | 佇む |
清水 航 | 碧 |
李 雨濃 | 取り外された昼 |
(順不同)