
コメリがホームセンターに参入して32年がたつ。もしもホームセンター事業に参入していなかったら、今の姿は無い。
以前、商店街の友人に、「なぜ、ホームセンターに参入するのか」と聞かれて、「これからは、車社会に変わっていくでしょう。それが時代の流れです。逆に、今の商店街で営業を続けられますか」と質問した。友人は、「そうですね……」と腕を組んで考え込んでいた。
今起きている情報化の流れを見ていると、インターネット事業に参入しなかったら、時代の変化に手を打たなかった友人の姿と同じである。
コメリは2000年にインターネット事業を始め、10年たとうとしている。昨年度で93億円にまで成長させていただいた。毎年2桁の成長を重ね、通信販売市場における小売業出身企業の中では上位数社に入る。
この成長性は、ハード&グリーンの店数と深い関係がある。インターネットの販売は、企業の顔が見えない不安がある。しかし、その企業の店舗で購買経験があれば、安心して買い物していただける。インターネット販売は店舗ネットワークとの関係に大きく左右されるため、有店舗販売ともいわれている。小売業出身のユニクロやセブン&アイがインターネット販売で成功を収めているのは、店数が大きな力になっているからである。
コメリには全国970店舗の店舗ネットワークがある。一昨年1月に初出店した九州においては2年3カ月で80店舗となり、これからも出店を続けていく。
また、直営による物流網があり、商品はメーカーから物流センターに入り、そこから店に配送される。インターネット販売においてもこの一環した流れのなかで商品はお客様のところまで配送される。このシステムがインターネット事業に大きく寄与しているのである。
企業の成長は、時流にいかに乗れるかということが決め手で、それが成長の大きなカギである。今の時代の一番大きな時流はインターネット販売であろう。インターネット販売の市場は6兆2300億円といわれ、前年比22%の増加である。物の買い方が大きく変わろうとしている。コメリの果たす役割は、より近代的な流通機構へ小売業を変革させることである。
わが社の経営要諦に、「天の時をいただき機会をのがさず新しい世界に挑戦しよう」とある。古くなった産業をより近代化していくところに企業の発展があると言ってきた。まさに情報化の波は大きく世の中を変えている。
コメリドットコムは、衣食住の「住」の分野で現在12万SKUを掲載している。昨年からの半年間で2倍に増えた。時を逃さず早急に50万SKUを目指したい。
コメリの店舗数、物流網を駆使しながら、住まいに関連した大きなインターネット事業を完成させていきたい。