かざみどり巻頭文

理想を求めて

 ホームセンター参入33年。店数も1,000店舗となる。おかげさまで順調に業績を伸ばし、昨年度も41店舗出店を重ねた。ありがたいことである。
 わが社がこのように成長できたことは、一筋にホームセンターの本流の品揃えを求めて努力してきたからである。資材、建材、農業用品、園芸用品を育て上げてきたことが今につながっている。ホームセンター事業は衣、食、住、の住まいの部門を取り扱い、豊かな住まいづくりに貢献することであるが、今ホームセンターといわれる企業の中にはバラエティストアやディスカウントストアのような、売れるものは何でも取り扱うということで、ホームセンターではない事業を行っている企業が多い。
 わが社はホームセンターの主力商品を守り続けてきた。そのためにハード&グリーンという小型店を育て、商品開発を行い、メーカーと直接取引を行ってきた。物流体制を構築し、情報システムを駆使してきたのである。
 もともとチェーンストア経営は標準化した店を多数持ち、商品開発を行い、良品をより安く大量に取り扱い、ローコストで店舗を運営することが大切である。そして出店地域が広がっていくなか、お客様の支持を受けることのできる、その地域に合った商品、その気候に合った商品がお客様の手元に届くような体制をとってきたのである。
 大商圏には専門的な工具や機材、木材や資材が要望される。店数も増え、小型店では展示できない大型の商品は近隣に大型店を出店することによってお客様の満足を得ることができる。そうした要望のなかでハード&グリーンと大型店を調和させながら出店しなければならなくなっている。そして、大店立地法や都市計画法の規制によって出店できない地域へは中型のホームセンターも必要なのである。
 わが社はこのような船団方式をもってホームセンター業界ナンバーワンの出店が可能となっているのである。
 昨今、激しい不況の波が押し寄せているが、そうしたなかでまた新しい流通業の流れも出てきている。情報化の流れは激しく、日本のネット通販市場が大きく発展している。2009年度の市場規模は6兆5,744億円と報じられている。
 小売業の王座を占めていた百貨店業界は、1991年に9兆7,000億円あった市場規模が2009年には約6兆6,000億円となり、ピーク時より32%縮小している。そして大手専門店チェーンは商品開発を行い、素晴らしい品質の商品を低価格で販売し、大きくお客様の支持を受けている一方で、GMSの中にあるテナントの専門店は撤退を余儀なくされている。それとともにGMSも苦境となっている。
 これからも激しい流れが続くだろう。コメリも日本のホームセンターのビジネスモデルを構築し、ナンバーワン政策を進めていきたいものである。