
朝、家を出て三条燕インターから高速道を新潟市内へと向かう。梅雨のこの時期としては珍しくいいお天気で、小一時間車に乗って朱鷺メッセに着いた。
今日は、コメリの創業60周年の感謝のつどいである。コッコ会の役員会、そしてコッコ会総会を終えて、記念式典となった。
舞台の上に「コメリ創業60周年 感謝のつどい」と大きな看板が掲げられ、左右に60周年のロゴマークが飾られている。お取引先、お世話になった関係者など800人を超える方々が集まっておられた。
まず、創業からの歩みを振り返るビデオが上映された。昭和27年4月、農業のかたわら父と母が米穀商、米利商店を創業し、薪や木炭などの燃料も商うようになり、昭和37年に株式会社米利商店を設立した。昭和48年に株式会社米利に商号を変更し、昭和52年、ホームセンター1号店となるコメリホームセンター三条店の開店により、ホームセンター業界に参入。出店を重ね、平成22年には1000店舗を達成した様子が紹介される。
農家の長男に生まれた私が、このような形で展開させていただいたのも出会った多くの皆さんのおかげである。田を耕し、理想を追いかけながら農業に努めていたが、両親が米利商店を始め、商売を考えるようになった。倉本長治先生と出会い、アメリカ視察の機会に恵まれてホームセンターと出合い、これを日本で構築したいと思った。大勢の先生方にお会いし、先輩の皆さんから仲間に入れてもらい、素晴らしい人たちとの出会いのなかから日本におけるホームセンターはどうあるべきか考えが深まり、今日の日を迎えることができた。
演壇に立ち、大勢の人たちに育てられて今ここにあると思うと感激する。60年を振り返りながらあいさつを終え、喜びを胸に留めながらステージを降りた。
ご来賓の新潟市の篠田市長、三条商工会議所の斎藤会頭から祝辞をいただき、小椋佳さんの「うたがたりコンサート」が行われる。小椋さんが心を込めて歌い上げる、優しい歌の世界に浸った。
会場を移して懇親会となる。すでに参加者の皆さんが入場しておられる。何か、会場が一体になり、温かい雰囲気に包まれているように感じられる。大勢の人たちに支えられてこうしているのだということを思いながら、しみじみと感激が込み上げる。
日本でこれからホームセンターを完成させていくのはコメリだろう。社員の力を集め、あるべきホームセンター事業を構築していきたい。アメリカにはホームデポとロウズの2社があり、両社が同じ方向を目指している。日本で今その方向を目指しているのはコメリだと思う。
コメリの理想は、あるべき日本のホームセンターづくりである。ホームセンターのチェーンストア化を目指し、使命を持って取り組んでいきたいと思う。これからも社員と共にホームセンターの理想を追い続け、一つの業態を育てていきたい。