
5月17日、新潟市西区でコメリパワーの地鎮祭を行った。
朝、自宅から北陸自動車道を通って現地に向かう。田植えを終えたばかりの田が水を湛え、まるで鏡面のように静まっている。きれいに並んだ苗が清々しい。
新潟西ICからバイパスに出る。亀貝ICの北側に造成を終えたばかりの土地が広がっていた。
約30ヘクタールの土地は、商業集積ゾーンと流通業務ゾーン、そして70棟の住宅ゾーンに分かれ、この秋から順次大型施設の開業が予定されている。コメリのほかにスーパーマーケットやドラッグストア、衣料品店、書店などが出店する計画である。
今年度、コメリはパワー6店舗、ホームセンター8店舗、ハード&グリーン31店舗の出店を計画している。その出店の一方で、コメリの成長には既存の店舗にも立派に成長してほしいと思うのである。
既存店は、店舗企画部が中心となり、計画的にスピードをもって改装を行ってくれている。そして店舗運営本部が中心となって準社員さんの戦力化や女性店長の推進が進められている。お客様の声をいかに店に反映することができるか。お客様に接している現場の提案を実現していかなければならない。
そのために、現場で働く人それぞれの創意工夫を大切にし、挑戦する意欲を盛り上げることが必要だ。自分の提案による創造が、いかに楽しいものであるかを体験してもらうことだろう。
人は、上からの指示で動くのではなく、目標に向かって自らの道を開くことで喜びを見いだすのである。
13年前の6月、コメリの監査役を退任された川ア進一先生の言葉が思い出される。
当時は年商一千億円を超えたころだった。先生は、次の目標は三千億円で、その壁を乗り越えるために二つのことに気を付けてくださいと話された。一つ目は、足元の小さなことについて対処できる社風をつくりなさい。細かいこともトップ自らが方針を立て、完全に成し遂げられる体制をつくることが大切ですとおっしゃった。そして二つ目には、企業は社会の公器である。使命感を持って事業を進めてくださいと言われ、「コメリは世の中に対して何ができる企業なのか」ということをきちんとしておく必要があるとのことであった。
思い返すと、難しい仕事だからこそ工夫をし、物流や情報を整え、ローコスト経営に徹してここまできた。出来あがったものは、ホームセンターというよりも金物と園芸の専門店となって、それが他社にはないコメリらしさとなっている。
越後平野も、あと数週間もすれば青田が風に波打つだろう。そんな景色を見ながら、企業も人も、競っているように見えても世の中に支持されるための努力をしているのだと思う。お客様のニーズに合わせ、店長が中心となってコメリの特徴を活かした店づくりができたら、素晴らしいと思う。