第8回 雪梁舎フィレンツェ賞展
趣旨
ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第8回フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。また、第5回展より元フィレンツェ美術アカデミア教授ビンチェンツォ・ビアンキ氏によるビアンキ賞が設けられ、同賞受賞者にもフィレンツェ滞在・創作活動を支援いたします。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国37都道府県より241点の応募があり、厳正なる審査のうえ、4点の入賞作品をふくむ43点の入選作品が選考されました。
入賞・入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。
応募規格
■応募資格
50歳以下(1959年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。
■作品資格
S100号サイズ(162.1cm×162.1cm)までの絵画。（未発表作品）。一人1点
賞
■フィレンツェ大賞（1点）
100日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
■フィレンツェ賞優秀賞（2点）
賞金70万円
■ビアンキ賞（1点）
30日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
※大賞・優秀賞・ビアンキ賞受賞作品は、帰属となります。
■審査員
青木 茂 (文星芸術大学教授)
内山武夫 (美術評論家)
陰里鐵郎（美術評論家・女子美術大学教授）
川上 實 (愛知県立芸術大学名誉教授)
久保尋二 (美術史家・新潟大学名誉教授)
ビンチェンツォ・ビアンキ (元フィレンツェ美術アカデミア教授)
捧 賢一 ((財)美術育成財団雪梁舎理事長／特別審査員)
展覧会
雪梁舎美術館 2006年8月6日(日)～9月10日(日)
受賞作品
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フィレンツェ大賞 「聖夜」 石坂 宏 長野県 |
■作家コメント
私の絵の題材となるものは、何か特別なモチーフでなく、何気ない日常生活のものや風景です。今回の作品<聖夜>についてご説明させていただきます。 深い闇の中でこうこうと輝くイルミネーションは幻想的で、時には命の輝の様であり、時にはもの寂しげで孤独感を誘うこともあります。特に真冬の夜景は空気が浄化され、闇の中に点在する無数の光は冷え冷えした空間に、温もりを与えてくれます。
私がパステルと出会ったきっかけは大学時代です。友人がパステルで描いた風景画に強い衝撃を受けました。それ以来大学時代はパステルでアメリカ南部（主にアトランタ郊外）の風景を中心に制作しました。水や油といった溶剤なしで、手軽に描け中間色も豊富で、屋外で制作するには最適な画材だと思います。
油彩が主体の日本洋画壇において、パステル画はまだまだ発展途上にあり、マイナーな画材として捉えられていることは事実です。私はパステルがかもし出す独特の色彩や雲母ガラスを重ね合わせた様な色合いと柔らかさの中に、油彩と違った味わいや強さを見いだせたらと考えています。
■作者略歴
| 石坂 宏 （1958年生まれ） | |
| 1982年 | アトランタ美術大学（アメリカ・ジョージア州） 卒業 |
| 1993年 | 第5回現代パステル協会展 初出品（賞候補） 会員推挙 ／ 中野実業高等学校 美術科教諭（10年間） |
| 1998年 | 第10回現代パステル協会展 大賞受賞 |
| 1999年 | 第11回現代パステル協会展 委員（審査員）推挙 |
| 2002年 | 第78回白日展 佳作賞受賞 |
| 2004年 | South Eastern Pastel Society The 11th International Open Juried Exhibition 準大賞受賞 |
| 2005年 | Japan in Pastel ワシントン展（在米日本大使館主催） 出品 ／ 石坂宏パステル画展（信州中野銅石版画ミュージアム/中野市） |
| 現在 | 現代パステル協会委員 ／ 須坂園芸高等学校 美術科教諭 |
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優秀賞 「春日」 平井 うらか 東京都 |
■作家コメント
春の日を楽しむ人々の風景を描きました。暖かい日ざしと、雪のようにキラキラと舞い散る花びら。話し声、笑い声、ときどき泣き声。
食べて、歌って、少しまどろむ。
人も自然も動物も、まじりあって一つの時間を共有する。そんな世界が表現できればいいなと思いました。
■作者略歴
| 平井 うらか （1980年生まれ） | |
| 2005年 | 第1回世界堂絵画大賞展 協賛賞受賞 ／ 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 卒業 |
| 現在 | 同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース2年 |
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優秀賞 「縁」 松本 哲哉 大分県 |
■作家コメント
私の作品は、常に自然と人物とが同等の価値を持って構成されています。風化したコンクリートや木々の紅葉は、観る人にときの流れを感じさせます。人物の動作をフィルムのコマを並べるように連続して構成することでも、そこにときの流れを感じてもらえるのではないでしょうか。
私はここ数年「縁」というテーマで制作に取り組んでいます。縁という言葉の中には、絶えず流れ変化する世界の中で生かされる命、人と自然との繋がりを大切にしていきたいという思いが込められています。
まだ思いばかりが強く、全てを表現し切れていないのですが、鑑賞者の方々にその思いが少しでも伝われば幸いです。
最後に、私をこれまで励まし育てて下さった方々へ一言感謝の気持ちを込めて、ありがとうございます。
■作者略歴
| 松本 哲哉 （1972年生まれ） | |
| 2002年 | 第56回二紀展 奨励賞受賞 |
| 2005年 | 第14回けんしん美術展 奨励賞受賞 |
| 2006年 | 第15回英展 出品 |
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ビアンキ賞 「Book worm」 名古屋 剛志 東京都 |
■作家コメント
少女の「眠り」をテーマに描いた。お気に入りの本を読んでいると、窓から夕陽の光がそっと差し込む時間。少女は眠りに落ちてしまった。
そんな夜の色に辺りが染まっていく頃、彼女の夢の中ではどんな世界が始まろうとしているのだろうか…。
好きなモノに囲まれ安心に満ちた寝顔、それを取り巻く空気や時の流れを自然に描いてみたかった。
僕は、女の子をモチーフに描く時、相手の頭を優しく撫でてあげるような気持ちで筆を入れてあげるのが好きである。描いている間、とても素直な気持ちでいられて良かった。自分の気持ちも癒されるようなそんな絵を描き続けていきたい。
■作者略歴
| 名古屋 剛志 （1978年生まれ） | |
| 2002年 | 第6回新生展（新生堂/青山） 優秀賞受賞 |
| 2003年 | 東京藝術大学美術学部デザイン科 卒業 ／ 第21回上野の森美術館大賞展 一次賞候補 ／ 第3回福知山市佐藤太清賞公募美術展 特選（板橋区長賞）受賞 ／ 個展（新生堂/青山） ／ 三人展（みゆき画廊/銀座） ／ C-DEPOT 2003（アートガーデン川崎/川崎） ／ 財団法人佐藤国際文化育英財団 第13期奨学生 |
| 2004年 | 5人展 start in 1978（ギャラリー・しらみず美術/銀座） ／ C-DEPOT 2004（横浜赤レンガ倉庫/横浜） |
| 2005年 | 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 修了 ／ レスポワール展（スルガ台画廊/銀座） ／ C-DEPOT 2005（青山スパイラル/青山） |
その他受賞・入選作品
■佳作賞
| 赤井 正人 | 奈良県 | 内なる眼 |
| 井上 寛明 | 京都府 | L'HUMANITÉ |
| 上野 洋嗣 | 熊本県 | The study of sleep |
| 遠藤 悦史 | 茨城県 | Dispace Vision |
| 金谷 沙緒理 | 茨城県 | LEGEND |
| 小山 あゆみ | 東京都 | 祭 |
| 新谷 有紀 | 宮城県 | 風の余韻 |
| 瀧谷 美香 | 新潟県 | 街路光景 |
| 原元 鼓 | 兵庫県 | 黄砂 |
| 藤井 泰世 | 神奈川県 | 母と子 |
| 柳澤 裕貴 | 群馬県 | ゆらめきの中で－絆－ |
| 山本 誠 | 東京都 | El espacio |
■入選
| 青木 一也 | 東京都 | 話し合いをする人々 |
| 青柳 明日香 | 東京都 | 群 |
| 新井 コー児 | 群馬県 | 今夜は花火大会 |
| 池部 貴惠 | 宮崎県 | 蒼浴 |
| 伊藤 千乃 | 新潟県 | 不可視領域 |
| 岩井 綾女 | 埼玉県 | 跡 |
| Ｓ・モーリシャス （盛本 学史） |
北海道 | 光工場 |
| 大瀧 洋平 | 栃木県 | くもりガラス |
| 緒方 泰志 | 茨城県 | view point |
| 笠島 広子 | 福井県 | A・sax |
| 狩野 宏明 | 茨城県 | garden |
| 日下部 直起 | 京都府 | 刻の鍵 |
| 斎藤 修 | 新潟県 | ブルドッグ |
| 佐藤 小百合 | 東京都 | うめぼんぼり |
| 佐藤 友美 | 宮崎県 | 流転の相 ’06-7 |
| ジュリアス・ンジャウ | 愛知県 | Dancers |
| 田中 崇夫 | 千葉県 | CHANTILLYの装鞍所 |
| 冨樫 昭裕 | 千葉県 | 劇中劇、FORMのアブストラクトのある |
| 永井 雅人 | 東京都 | 水の誕生 |
| 中園 ゆう子 | 熊本県 | 待つ女 |
| 永田 恭子 | 山形県 | はる |
| 長谷川 清晴 | 新潟県 | 砂丘のドラマ |
| 廣田 真知子 | 京都府 | 光を与えたまえ！ |
| 外間 佐矢香 | 沖縄県 | 縫 |
| 三瀬 夏之介 | 奈良県 | 奇景 |
| 山下 和子 | 石川県 | ひとのかたち（羽のある人） |
| 吉田 正俊 | 新潟県 | 鏡中魚図 |
応募総数
応募数：241点（37都道府県）
入選：43点（フィレンツェ大賞：1点、 優秀賞：2点、 ビアンキ賞：1点、佳作賞：12点、入選：27点）
その他
・応募者は、作品提供と同時に展覧会の報道記録、図録制作の為の作品写真の複製、及び掲載を承諾したものとします。
・応募規定にそぐわない等の理由により、審査結果発表後でも賞を取り消す場合があります。
・応募に関する個人情報は、本事業以外の目的には一切使用いたしません。
お問合せ
お問合せは公募展事務局までお願いいたします。
〒950-1101 新潟県新潟市西区山田451 雪梁舎美術館「フィレンツェ賞展」事務局
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