ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第9回記念フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。また、第5回展より元フィレンツェ美術アカデミア教授ビンチェンツォ・ビアンキ氏によるビアンキ賞が設けられ、同賞受賞者にもフィレンツェ滞在・創作活動を支援いたします。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国37都道府県より199点の応募があり、厳正なる審査のうえ、4点の入賞作品を含む40点の入選作品が選考されました。入賞・入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。
50歳以下(1959年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。
S100号サイズ(162.1cm×162.1cm)までの絵画。(未発表作品)。一人1点
100日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
賞金70万円
30日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
※大賞・優秀賞・ビアンキ賞受賞作品は、帰属となります。
青木 茂 (文星芸術大学教授)
内山武夫 (美術評論家)
川上 實 (愛知県立芸術大学名誉教授)
久保尋二 (美術史家、新潟大学名誉教授)
ビンチェンツォ・ビアンキ (フィレンツェ美術アカデミア教授)
捧 賢一 ((財)美術育成財団雪梁舎理事長/特別審査員)
雪梁舎美術館 2007年8月5日(日)~9月9日(日)
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大賞 「泡と瓶」 麻績 勝広 新潟県 |
大学時代を過ごしたアトリエは日本海を見下ろす砂丘の上。いつのまにか海をテーマにした作品を描き始めていました。日本海に沈む夕日は格別に美しく大好きですが、描くのは冬の海のほうが多かったように思います。私の場合、制作における眼はモノトーンの物に対して積極的に働き、作品づくりのインスピレーションが湧くようです。
あれから20年経ちましたが、今も海をテーマにした作品を描いています。この度、賞をいただいた作品は海に流れ着いた瓶と波の泡を描いたものです。画面全体の色彩を極力絞り込んで、泡のつくる模様の面白さと緊張感を表現しようとしました。
まだまだ未熟ではありますが、今回の受賞を励みにし、さらに自分なりの絵画を追求しようと思います。私に絵を教えてくださった先生方、励ましてくださった方々に感謝しています。
麻績 勝広 (1962年生まれ) | |
1986年 | 第63回春陽展 初入選(以後出品20回・賞候補2回・奨励賞1回受賞) |
1988年 | 新潟大学大学院(美術教育・西洋画) 修了 |
1995年 | 個展(以後3回) |
2003年 | にいがた写実集団展(新潟三越) 以後毎年 |
2007年 | 第84回春陽展 奨励賞受賞 |
現在 | 春陽会会友、にいがた写実集団会員 |
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優秀賞 「盛夏相観図」 小倉 亜矢子 神奈川県 |
夏、山の畑で雑草と競いあうようにつるを伸ばす南瓜の生命力にまず心を惹かれた。人間からすれば大事なのは南瓜なのだが(お百姓さんには申し訳ないけれど)私から見れば草も、また美しい。その形態ひとつひとつが生命力の発露なのだ。種々の生命がそれぞれの美しさを持ちつつ、渾然一体となってつくりだす相関図を描きたかった。
ひとりひとりがその美しさ・強さを発揮しながらも全体として美しく感じられるように、人間もまたそのように生きられたらいいのに、と強く思う。
小倉 亜矢子 (1974年生まれ) | |
1999年 | 第1回グループ展「吾の会」 |
2000年 | 韓日青年作家美術展 |
2001年 | 日韓若手美術家交流展 |
2002年 | 第2回「吾の会」 / 韓日青年作家美術展> |
2003年 | グループ展「成分表示」 / 個展「花と暮らす」 / 韓・日現代作家交流展 |
2004年 | 第3回「吾の会」 / 韓日青年作家交流展 / 個展「花と暮らす2」 |
2006年 | 第4回「吾の会」 |
2007年 | グループ展「異心圓」 |
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優秀賞 「individualized」 平林 孝央 東京都 |
近頃は画中画をテーマとして制作に取り組んできました。その中で制作した今回の作品は、平面における二次元性と三次元性、現実と虚構の世界が交錯するあいまいで不思議な空間をつくりだそうと試みました。
画中の要素の構成、配列には苦心しましたが、それも含めマチエールやそれぞれの画材がもつ質感の違いの認識など、とても勉強になることが多かったです。特に今回の制作では“線”のもつ力にはたいへん惹かれるものがありました。
平林 孝央 (1984年生まれ) | |
2005年 | 第73回独立展 入選 |
2007年 | 東京学芸大学芸術文化課程 卒業 |
現在 | 東京学芸大学修士課程美術教育専攻1年 |
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ビアンキ賞 「時にまつわる話」 髙橋 勉 宮城県 |
時にまつわる話。
遥か古のときから、日と夜の記憶が降り積もる。
それは私たちヒトの繰り返される生の物語。
私の中の様々な時に対するイメージを形にしようと思いました。
髙橋 勉 (1961年生まれ) | |
1987年 | 第51回河北美術展 文部大臣奨励賞受賞 |
1998年 | 第52回二紀展 奨励賞受賞 |
1999年 | みやぎ秀作美術展’99 出品(同2001年) |
2000年 | 二紀会 同人推挙 |
2001年 | 第4回熊谷守一大賞展 入選 |
2002年 | 第6回春季二紀展 新人選抜奨励賞受賞 |
現在 | 二紀会同人 |
赤井 正人 | 奈良県 | まだら絵 |
遠藤 悦史 | 茨城県 | dimensional composition |
木俣 創志 | 茨城県 | フェンスと木洩れ日 |
小池 悟 | 長野県 | 方舟’07-Ⅲ |
佐藤 友美 | 宮崎県 | 青い風 |
杉本 克哉 | 東京都 | distance/children |
鈴木 一史 | 新潟県 | 五月 |
野角 孝一 | 茨城県 | お天気うた |
平野 良光 | 宮崎県 | 止揚(らせん) |
藤井 誠 | 埼玉県 | 共鳴 |
藤井 泰世 | 神奈川県 | D.C. |
青木 一也 | 東京都 | 夏と少年 |
池部 貴惠 | 宮崎県 | 纏う |
稲田 峻 | 兵庫県 | 宙~夏ノ記憶 |
大西 佑治 | 石川県 | flower of ghost |
柿下 秀人 | 茨城県 | カゼガミルユメ |
笠島 広子 | 福井県 | 暗黒大陸(大風) |
金子 朋樹 | 東京都 | 錯綜の刻(投影) |
狩野 宏明 | 茨城県 | garden-遅れてきた招待客- |
嘉松 聡 | 神奈川県 | 自我の到来 |
北川 安希子 | 滋賀県 | 隔たり |
金 英淑 | 大阪府 | 邂逅 |
日下部 直起 | 京都府 | 永遠の眩惑 |
熊沢 麻衣子 | 徳島県 | 海辺の家 |
小林 千晴 | 神奈川県 | 寥々 |
榊間 弘勝 | 東京都 | 火の国 |
須田 千恵 | 長野県 | 夜の痕Ⅴ |
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神奈川県 | 裹の世界 |
永井 雅人 | 東京都 | 風の夜想 |
永田 恭子 | 山形県 | Kissemisse |
馬場 洋 | 茨城県 | 蒼い月 |
原 誠二 | 群馬県 | 時の夢 |
松河 都 | 熊本県 | 芽生え |
柳澤 裕貴 | 群馬県 | 交錯する時間と記憶 |
山形 昌子 | 東京都 | 波紋シリーズ 2007 |
山本 恭平 | 広島県 | 塚崎の大楠 |
応募数:199点(37都道府県)
入選:40点(フィレンツェ大賞:1点、 優秀賞:2点、 ビアンキ賞:1点、佳作賞:11点、入選:25点)
・応募者は、作品提供と同時に展覧会の報道記録、図録制作の為の作品写真の複製、及び掲載を承諾したものとします。
・応募規定にそぐわない等の理由により、審査結果発表後でも賞を取り消す場合があります。
・応募に関する個人情報は、本事業以外の目的には一切使用いたしません。
お問合せは公募展事務局までお願いいたします。
〒950-1101 新潟県新潟市西区山田451 雪梁舎美術館「フィレンツェ賞展」事務局
TEL 025-377-1888 / FAX 025-377-1881