第11回 雪梁舎フィレンツェ賞展

趣旨

ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第11回記念フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。また、第5回展より元フィレンツェ美術アカデミア教授ビンチェンツォ・ビアンキ氏によるビアンキ賞が設けられ、同賞受賞者にもフィレンツェ滞在・創作活動を支援いたします。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国38都道府県より244点の応募があり、厳正なる審査のうえ、4点の入賞作品を含む41点の入選作品が選考されました。入賞・入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。

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応募規格

■応募資格

50歳以下(1958年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。

■作品資格

S100号サイズ(162.1cm×162.1cm)までの絵画。(未発表作品)。一人1点

■フィレンツェ大賞(1点)

100日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)

■フィレンツェ賞優秀賞(2点)

賞金70万円

■ビアンキ賞(1点)

30日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
※大賞・優秀賞・ビアンキ賞受賞作品は、帰属となります。

■審査員

内山武夫 (美術評論家)
川上 實 (愛知県立芸術大学名誉教授)
真室佳武 (東京都美術館長)
ビンチェンツォ・ビアンキ (元フィレンツェ美術アカデミア教授)
捧 賢一 ((財)美術育成財団雪梁舎理事長/特別審査員)

展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2009年8月2日(日)~9月6日(日)
【東京展】 東京都美術館 2009年12月9日(水)~12月14日(月)

受賞作品

辿り着いた場所 フィレンツェ大賞
「辿り着いた場所」
染谷 厚  埼玉県

■作家コメント

 絵を描く時、私は、一つ一つのモチーフや色・形・線などに、いろいろな思いを込めて描いている。そして、自分自身のイメージや物語を、わかりやすく表現したいと考えている

 この絵を見る人が、その人なりの解釈と味付けで、様々に読み解いてくれることを期待して止まない。悲観的に読み解く人もいれば、楽観的に読み解く人もいる。全く違ったイメージや物語を思い描く人もいるだろう。その中で、共感する所や小さな共通点を見出すことができれば…と切に願っている。

 先日、お世話になっているアトリエスズキの鈴木さんから、「染谷さんは、絵の中で理想郷を探し求める旅人ですね」と評された。一瞬どきっとした後に、少し恥ずかしいような嬉しいような、何とも言えない気持ちになった。多くの人に読み解いてもらえる魅力ある作品を、一枚でも多く描き続けていきたい。

■作者略歴

染谷 厚 (1967年生まれ)
1990年 埼玉大学教育学部美術科 卒業
第44回二紀展(以後毎回出品)
1991年 第2回浅井忠記念賞展(同1993、1997年)
1992年 埼玉大学大学院教育学研究科美術教育専修(修士課程)終了
2000年 第1回五歩の会展(隔年開催/以後毎回出品) (ギャラリーアトリエスズキ/東京)
2001 第19回上野の森美術館大賞展
2002年 第6回春季二紀展(以後毎回出品)
2003年 個展(ギャラリーアトリエスズキ/東京)
2008年 第35回記念埼玉二紀展 第35回記念賞受賞 / 第10回記念雪梁舎フィレンツェ賞展 / 第62回二紀展 同人推挙
現在 二紀会同人
よあけまえ 優秀賞
「よあけまえ」
高橋 はるか  東京都

■作家コメント

 自分の見たもの、感じたことをもとに風景を描いています。

 実際に見た景色、出会った人、読んだ本、そこから感じたこと、喜び、悲しみなどからイメージしています。

 人物をモチーフとすることが多いですが、それは身体的な感覚を大切にしたい気持ちが強いからかもしれません。また色も大切な要素です。

 今回賞をいただいて文章を書くにあたり、今まで自分の作品や制作について言葉で表す機会があまりなかった為、制作の中で無意識にやっていることや考えていることを言葉に置き換える難しさを感じました。しかし自分自身を振り返り、客観視することにつながると思いました。

 1枚1枚描くごとに少しずつ新しい風景が見えてくる気がします。

■作者略歴

高橋はるか (1984年生まれ)
2005年 第16回臥龍桜日本画大賞展 入選 / 第32回創画展 入選
2006年 第33回創画展 入選
2007年 東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース 卒業
2009年 第27回上野の森美術館大賞展 入選
GATE 優秀賞
「GATE」
平野 良光  宮崎県

■作家コメント

作家コメント

矛盾概念の発展的統一。

ささえてくれている人たちに感謝。

ひらけ、ごま。

■作者略歴

平野 良光 (1980年生まれ)
2002年 第56回二紀展 奨励賞受賞 (同2004年)
2003年 宮崎大学教育文化学部生活文化課程芸術文化コース 卒業
2004年 第13回英展 招待出品 (同2008年) / 九州二紀展 奨励賞受賞 (同2008年)
2005年 倉敷現代アートビエンナーレ 入選 / 第38回西日本美術展 久留米市長賞(次席)受賞 /
第7回フィレンツェ賞展 佳作 (同2007年) / 第59回二紀展 損保ジャパン美術財団奨励賞受賞 / 
個展 (ひまわり画廊/宮崎) / 第10回宮崎県美術海外留学賞 (フランス・パリ)
2006年 第60回記念二紀展 二紀賞受賞 / 個展 (Galerie d'art Page35/パリ) / 宮崎大学大学院教育学研究科美術専修 修了
2007年 「九州美術の現況」展 / 帰国報告展 (宮日会館パピルスギャラリー/宮崎)
2008年 伊東市制60周年記念全国絵画公募展IZUBI 入選
2009年 第44回昭和会展 招待出品
現在 宮崎日本大学高等学校芸術学科教諭、二紀会同人
想 ビアンキ賞
「想」
安部 ゆかり  茨城県

■作家コメント

 最近、以前と比べて、自分と絵が近くなってきたように感じます。
 日々自分が無意識に感じていることや意識的に感じていることが画面上で表出されているように思います。 絵を通して自分自身を思索しているような感覚です。
 絵とともに自分があって、自分とともに絵があるような、そんな作品を現段階では目指しています。

■作者略歴

安部 ゆかり (1985年生まれ)
2008年 筑波大学芸術専門学群 卒業 / 第62回二紀展 入選
2009年 さかいでARTグランプリ2009 入選
現在 筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程 在籍

その他受賞・入選作品

■佳作賞

宇田 幸正 東京都 現象・流
金谷 沙緒理 茨城県 RESISTANCE
上川 伸 福岡県 ノー・ボーダー
小池 悟 長野県 方舟 ’09-Ⅲ
田中 章惠 東京都
戸田 早紀 神奈川県 embrace
西川 則夫 神奈川県 裏の世界
堀田 正人 石川県 水路
望月 昭伸 東京都 今、そこにある危機

■入選

青木 一也 東京都 人間以外みんな脱出
浅葉 雅子 神奈川県 落葉
伊庭 広人 滋賀県 展望169 明日への架け橋
小川 恵 兵庫県 儚きもの
小倉 亜矢子 神奈川県 でぇこんの踊り ~冬~
金木 正子 千葉県 ねこだまり
北折 整 宮城県 闇について
桐山 和彦 兵庫県 窓の外
斉藤 崇倖 群馬県 "Take Heart Daughter, your faith has made you well."
篠倉 正行 千葉県 鎮守の里
杉本 克哉 茨城県 distance/rainy
関口 陽子 東京都 終わりに想う
薗田 雅俊 茨城県 "IRON,CONCRETE,GREEN"
髙橋 志帆 宮城県 青い地球のうた
田渕 智也 岡山県 水の中
冨樫 昭裕 千葉県 劇中劇.画家のいた場所
德田 景 鹿児島県 実在への疑い
戸田 麻子 長崎県 虚妄
中尾 真奈 大阪府 残光の片隅
名古屋 剛志 東京都 あれは空、或いは海
萩原 正志 群馬県 オニユズ
藤井 泰世 神奈川県 ホルン
柳澤 裕貴 群馬県 ゆらめく時の中で-白昼夢-
山本 智之 埼玉県 記憶の隙間
山本 誠 岡山県 Ha dejado de llover
吉田 卓哉 山形県 祈りの形象
渡辺 一洋 新潟県 モンマルトル

応募総数

応募数:244点(37都道府県)
入選:41点(フィレンツェ大賞:1点、 優秀賞:2点、 ビアンキ賞:1点、佳作賞:10点、入選:27点)

その他

・応募者は、作品提供と同時に展覧会の報道記録、図録制作の為の作品写真の複製、及び掲載を承諾したものとします。
・応募規定にそぐわない等の理由により、審査結果発表後でも賞を取り消す場合があります。
・応募に関する個人情報は、本事業以外の目的には一切使用いたしません。

お問合せ

お問合せは公募展事務局までお願いいたします。
〒950-1101 新潟県新潟市西区山田451 雪梁舎美術館「フィレンツェ賞展」事務局
TEL 025-377-1888 / FAX 025-377-1881