ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第12回フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。また、第5回展より元フィレンツェ美術アカデミア教授ビンチェンツォ・ビアンキ氏によるビアンキ賞が設けられ、同賞受賞者にもフィレンツェ滞在・創作活動を支援いたします。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国37都道府県より173点の応募があり、厳正なる審査のうえ、4点の入賞作品をふくむ39点の入選作品が選考されました。
入賞・入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。
50歳以下(1959年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。
S100号サイズ(162.1cm×162.1cm)までの絵画。(未発表作品)。一人1点
100日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
賞金70万円
30日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
※大賞・優秀賞・ビアンキ賞受賞作品は、帰属となります。
青木 茂 (文星芸術大学教授)
内山武夫 (美術評論家)
川上 實 (愛知県立芸術大学名誉教授)
真室佳武 (東京都美術館長)
ビンチェンツォ・ビアンキ (元フィレンツェ美術アカデミア教授)
捧 賢一 ((財)美術育成財団雪梁舎理事長/特別審査員)
【新潟展】 雪梁舎美術館 2010年8月1日(日)~9月5日(日)
【横浜展】 横浜赤レンガ倉庫 2010年12月2日(木)~12月7日(火)
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フィレンツェ大賞 「錯」 櫻井 伸浩 神奈川県 |
18cm幅の杉板にキジ、カラス、ヤマドリと植物的な要素をモチーフに描いた。鳥はその形(仕種)や模様が好きだ。羽一枚一枚の色形重なりを尊重し描いた。そうした部分とアドリブ的に描いた草木のイメージ、まとまるかまとまらないか全体を覆う画材・素材の物質感、そして描き手としての個。相対するいくつかの要素が画面の中でせめぎあい、息づくことを願い、作品は《錯》と題した。他方、描いた側の何か体質的な要素で画面が覆われることも願った。18cm幅の杉板は気に入らなければ動かした。つながりそうな直感を得たときに固定し、画面として展開させていった。
実験的に試みたことは、振り返るとぎこちなさや未熟さ、もどかしさを感じるが、その中から感覚的に確かなものをとらえ、次の制作展開へとつなげたいと思っている。
今回、発表を通じて、一つの評価を得たことは本当にうれしく思う。
櫻井 伸浩 (1975年生まれ) | |
1997年 | 第1回田中一村記念奄美日本画大賞展 入選 |
2000年 | 多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻 卒業 / 卒業制作展「30の光源」(銀座画廊美術館/東京) / 第2回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(同2004年) / 個展「櫻井伸浩展」(ギャラリーGK/東京) |
2001年 | 第12回臥龍桜日本画大賞展 入選 / グループ展「歩一歩」(アートスペースリビーナ/東京) |
2002年 | 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画 修了 /
修了制作展(O美術館/東京) / グループ展「歩一歩展」(藤屋画廊/東京、同2003、04年) |
2004年 | 第36回日展 入選(同2008年) |
2006年 | 第41回日春展 入選(同2007、08、10年) |
2009年 | グループ展「渺渺展」(銀座画廊美術館/東京、同2010年) |
2010年 | グループ展「手の上の渺渺展」(天神下はぐろ洞/東京) |
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優秀賞 「6月の草地の彼方」 真鍋 修 東京都 |
6月、梅雨の前のとある一日の天気と、いつか行った川原の景色のイメージからこの絵に取り掛かった。
毎年、この時期になると道の脇などあちこちから雑草が伸びてくる。私は町中を自転車でまわりながらそれらをスケッチしたりしている。そんなことをしていると、町の様子が季節でだんだん変わってくるのをよく感じる。熟して落ちてくる梅の実、びわ、忙しく飛ぶ虫、湿気をおびた空気、変わりやすい空模様、などいろんなものが相まって、全体が生き物のように感じる事がある。もうすぐ来る夏に向かって、何かが昇っていくような、そんな印象をもってしまう。
アトリエにしている古いアパートの一室で、そんな時期の一つの情景を思い浮かべつつ、この絵を描いた。
真鍋 修 (1963年生まれ) | |
1994年 | 東京藝術大学大学院修士絵画研究科日本画 修了 |
2001年 | 第12回臥龍桜日本画大賞展 大賞受賞 |
2002年 | 第16回青垣2001年日本画展 大賞受賞 |
2003年 | 個展(青樺画廊) |
2004年 | 第5回雪舟の里総社墨彩画公募展 奨励賞受賞(同2006年) / 第5回天竜川絵画公募展 準大賞受賞 |
2005年 | 第8回加古川「川の絵画大賞展」 優秀賞受賞 |
2006年 | 第2回松伯美術館花鳥画展 優秀賞受賞 / 第33回創画展 奨励賞受賞(同2007年) / 個展(Key Gallery) / アートン刊凪沢了著「ジーンズをはいた女神たち」 表紙絵制作 |
2007年 | 第18回富嶽ビエンナーレ展 準大賞受賞 / 第25回上野の森美術館大賞展 大賞受賞 / 第43回神奈川県美術展 神奈川県議会議長賞受賞 |
2008年 | 第2回ビエンナーレうしく 入選 / 第7回雪舟の里総社墨彩画公募展 平山郁夫賞受賞 / 第35回創画展 創画会賞受賞 |
2009年 | 個展(上野の森美術館ギャラリー) / 個展(京王プラザロビーギャラリー) |
現在 | 創画会準会員 |
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優秀賞 「遠くの街へ」 米田 和恵 東京都 |
幼い時から空想するのが大好きでした。私の絵の制作もその延長上にあります。日常にある風景やモチーフに、ちょっとした「遊び心」や「空想」を付け加えて描きます。
今回の作品は、絵の中に出てくる本から物語が始まります。ある島で育ち、島から出たことのない少女が、空を自由に飛ぶカモメに手紙を託します。そのカモメが本を飛び出して…そんなことを考えながら絵を描きました。あとは、見てくださる人が、その人の経験や、その時の心の状況を通しての「目」で見て自由に感じてもらえたら嬉しいです。
初めて描いたシュールレアリスムの絵のタイトルは「story」でした。すべてのものに「story(物語)」があるように、それを感じてもらえるような作品をこれからも描き続け、探求していきたいです。
米田 和恵 (1984年生まれ) | |
2002年 | 第57回福岡県展 入選 |
2009年 | 第44回昭和会展 松村謙三特別賞受賞 / 第1回女性の輝き展(日動画廊/東京・福岡) / 第46回太陽展(日動画廊/東京) / 第9回ミニヨン展(日動画廊/福岡) / 第40回日動展(日動画廊/東京) / 第38回現代洋画展(日動画廊/福岡) / 第48回ミニヨン展(日動画廊/東京) |
2010年 | Field of Now 2010(銀座洋協ホール/東京) / 第47回太陽展(日動画廊/東京) / 具象現代展(日動画廊/名古屋) |
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ビアンキ賞 「形なき束縛」 吉澤 舞子 東京都 |
流動的な思いに形を持たせること、これが私のテーマだ。
次から次へと湧き出る感情の多様さに、日々戸惑い、驚かされる。
その一瞬一瞬を標本のように、出来るだけ生のまま描きとめておきたい。
作品を人が見たときに、立ち止まって、何かしら思ってくれたら、記憶に残してくれたら、それはとても幸せだ。
吉澤 舞子 (1987年生まれ) | |
2008年 | 女子美術大学短期大学部造形学科絵画専攻 卒業 / 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻 3年次編入 |
2009年 | ヤングアーティスト作品展示会(東京サンケイビル・メトロスクエア) |
2010年 | 多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻 卒業 / 多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究領域 入学 |
亀山 嘉裕 | 福島県 | oblivion |
澤田 かおり | 東京都 | 静かな舞 |
関口 陽子 | 東京都 | 雪の家 |
田中 孝林 | 福岡県 | 記憶のスケッチ |
中尾 真奈 | 大阪府 | 錆色の残痕 |
中園 ゆう子 | 熊本県 | 雨の前に |
中山 智介 | 神奈川県 | 夏草 |
宮本 絵梨 | 東京都 | 鼓動 |
吉田 卓哉 | 山形県 | 刻の形象 |
脇田 桃子 | 大阪府 | 兆す |
青木 一也 | 東京都 | うさぎとかめ |
安中 仁美 | 茨城県 | landscape |
井上 あや | 熊本県 | 漂流 |
伊庭 広人 | 滋賀県 | 展望182 明日への架け橋2010 |
大嶋 仁美 | 神奈川県 | 夏宵 |
岸本 浩希 | 愛知県 | 連奏 |
黒田 由佳 | 東京都 | 小さい頃にみえたもの |
斎木 敦智 | 兵庫県 | 刻まれた戯画 |
石 景萍 | 京都府 | 戯 |
高尾 明日香 | 富山県 | 觀塘 |
谷保 玲奈 | 神奈川県 | 浸水 |
永田 恭子 | 愛知県 | 日夜 |
西原 東洋 | 東京都 | DIVE |
二代目喜一郎 | 大阪府 | 耳をすませばⅡ |
平井 うらか | 熊本県 | いつの日も |
藤井 泰世 | 神奈川県 | drum |
増田 宏人 | 埼玉県 | 360modena |
美濃 寿則 | 神奈川県 | 少女Ⅱ |
宮本 梨衣 | 茨城県 | Life |
谷中 美佳子 | 神奈川県 | 御祭 |
柳澤 裕貴 | 群馬県 | ゆらめく時間の中で-裏庭- |
山本 智之 | 埼玉県 | 茜色の夕日 |
山本 誠 | 岡山県 | USHIMADO |
吉中 裕也 | 岡山県 | 青いソファーの中の裸婦 |
李 圭翔 | 神奈川県 | 流転 |
応募数:173点(37都道府県)
入選:39点(フィレンツェ大賞:1点、 優秀賞:2点、 ビアンキ賞:1点、佳作賞:10点、入選:25点)
・応募者は、作品提供と同時に展覧会の報道記録、図録制作の為の作品写真の複製、及び掲載を承諾したものとします。
・応募規定にそぐわない等の理由により、審査結果発表後でも賞を取り消す場合があります。
・応募に関する個人情報は、本事業以外の目的には一切使用いたしません。
お問合せは公募展事務局までお願いいたします。
〒950-1101 新潟県新潟市西区山田451 雪梁舎美術館「フィレンツェ賞展」事務局
TEL 025-377-1888 / FAX 025-377-1881