フィレンツェ賞展

趣旨

  ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第13回フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。また、第5回展より元フィレンツェ美術アカデミア教授ビンチェンツォ・ビアンキ氏によるビアンキ賞が設けられ、同賞受賞者にもフィレンツェ滞在・創作活動を支援いたします。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国の40都道府県より203点の応募があり、厳正なる審査のうえ、5点の入賞作品をふくむ39点の入選作品が選考されました。
入賞・入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。

■展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2011年8月7日(日)~9月11日(日)
【東京展】 シアター1010 2011年11月10日(木)~15日(火)

■主催

公益財団法人 雪梁舎美術館

■協賛

株式会社 コメリ

■協力

フィレンツェ美術アカデミア

■後援

在日イタリア大使館、新潟県、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、NST、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、エフエムラジオ新潟、FM PORT79.0

第13回雪梁舎フィレンツェ賞展の概要はこちら

応募規格

■応募資格

50歳以下(1960年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。

■作品資格

S100号サイズ(162.1cm×162.1cm)までの絵画。(未発表作品)。一人1点

■フィレンツェ大賞(1点)

100日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
フィレンツェ美術アカデミアでの特別聴講。 (渡航費・滞在費・交通費支給)
※作品は帰属

■フィレンツェ賞優秀賞(2点)

2点 70万円

■ビアンキ賞(1点)

30日間のフィレンツェ市での制作活動を支援。(渡航費・滞在費・交通費支給)
※大賞・優秀賞・ビアンキ賞受賞作品は、帰属となります。

■佳作

 

■入選

 

 

展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2011年8月7日(日)~9月11日(日)
【東京展】 シアター1010 2011年11月10日(木)~15日(火)

受賞作品

移りゆく日 フィレンツェ大賞
「滄茫の旅 」
上杉 汐輝    宮崎県

■作家コメント

 大学の頃から少年と夢というテーマで描き続けてきました。少年というのは自分自身、夢というのは憧れや不安など心のなかの様子です。そんななか、なぜか「海」がいつもそこに関わっています。単純に海は好きですが、なぜ海を描き続けているのかは自分でもよく分かっていません。ですが、私の心のなかには確実に「海」があり、それを描写していくことでだんだんと絵ができていきます。
 そして少年は飛びそうで飛びそうにない貝殻飛行機で空を漂い、狭くて広い孤独な自分の心のなかを旅していくのです。

■作者略歴

上杉 汐輝浩 (1986年生まれ)
2007年 第61回二紀展 入選
2008年 第9回春季二紀展
宮崎大学教育文化学部生活文化課程芸術文化コース美術 卒業
第62回二紀展 入選
2009年 第63回二紀展 入選
2010年 第10回春季二紀展
第64回二紀展 入選
Tree climbing 優秀賞
「予感」
宍戸 純    広島県

■作家コメント

  私は、絵を描きはじめてから今日に至るまでずっと、樹を描き続けています。特に巨樹、古木を好み、モチーフとしてきました。それは、私が表現したいと思う「生命の力強さ」や、その裏側に潜んでいる「朽ち、滅びゆく儚さ」のイメージと、ピッタリと重なっているからです。
 強く気高く紡がれていく命、その魂。モチーフを通してそれらを見つめているうち、本当の強さとは、静けさのなかにこそあるのではないかと思いました。それは、力強く躍動する生命の裏には、滅びゆく死の影が、常に共にあるからです。作品《予感》は、そのような表裏一体となった生命の強さと儚さを表現したいと思い、描きました。
 耳に聞こえてくるのは枝葉の音、心に響くのは生命のざわめき…そんな情景を感じてもらえるような作品が描けるように、これからも真摯に取り組んでいきたいです。

■作者略歴

宍戸 純 (1987年生まれ)
2004年 第58回二紀展 入選(同2005、06、10年)
2006年 個展「生いたち展」(君田生涯学習センター、同2009年)
2007年 グループ展「広島大学ART17展」(旧日本銀行広島支店)
2008年 第62回二紀展 佳作
2009年 広島大学教育学部第四類造形芸術系コース 卒業
2011年 広島大学大学院教育学研究科造形芸術教育学専修 修了
おおきなちず 優秀賞
「灯々」
永田 恭子    愛知県

■作家コメント

 怪しいのに美しい。そのなかにあるモノに対する興味や冒険心を作品に表現してみました。
 作品の題材は、名古屋にあるランプ店をイメージして描きました。近代的なビルが並ぶなか、大きな窓のなかにお洒落なランプがひしめいている様子が人を異空間に引き込む魅力があると思いました。
 雪梁舎フィレンツェ賞展に大学2年生の頃から出品しはじめて、今年で6年が経ちました。今回の受賞は、私を支えてくれた家族や友人、先生方のおかげだと思います。これからも新しい作品の挑戦を試みていくのでよろしくお願いします。

■作者略歴

永田 恭子 (1984年生まれ)
2006年 第8回フィレンツェ賞展 入選(同2007、10年)
2007年 第7回熊谷守一大賞展 入選(同2009年)
鯱光会美術展 出品
2008年 第5回日台文化交流青少年スカラシップ 絵画部門奨励賞受賞
第19回臥龍桜日本画大賞展 入選
第29期国際瀧富士美術賞受賞
2009年 第6回日台文化交流青少年スカラシップ 絵画部門優秀賞受賞
第64回春の院展 入選
第5回萌の会(名古屋松坂屋、銀座松坂屋)
HOHOARTS 虎宴展(台湾)
2010年 第5回萌の会(大阪大丸デパート)
第5回前田青邨記念大賞展 入選(2作品)
涼涼展(台湾)
日本芸術センター第4回絵画公募展 入選(2作品)
第10回福知山市佐藤太清賞公募美術展 日本画の部入選
2011年 第36回昭和美術会展 新人賞受賞
第8回中札内村北の大地ビエンナーレ 誌上入選
BURDEN ビアンキ賞
「流転」
小川 恵    兵庫県

■作家コメント

 命の表現が私のテーマである。
 エネルギッシュな命のパワーを抽象化した形に託し、その形と形の織り成す空間の追求を試みた。
 内にあるかたちを見出すことが形を作り出すことであると同時に、己に対するこだわりから離れた時に、画面に初めて面白さが表出してくるものだと思う。それは頭ではなく手が勝手に創り出してくれるものだと感じている。
 今後は、もっとシンプルで明瞭な画面作りを目指していきたい。

■作者略歴

小川 恵 (1978年生まれ)
1996年 第41回長崎県展 県知事賞受賞
2000年 第24回九州青年美術展 藤田記念賞受賞
2001年 第55回二紀展 初入選(以後毎回出品)
2002年 第19回FUKUIサムホール美術展 奨励賞受賞
2004年 名古屋芸術大学美術学部絵画科 卒業
名古屋芸術大学洋画コース選抜展(ギャラリー和田)
小川恵展(アートサロン彩)
坂角賞受賞者展(ギャラリー坂角)
第17回東広島市美術展 絵画部門最優秀賞受賞
2006年 広島大学教育学研究科博士課程前期 修了
第8回広島県・岡山県大学美術系卒業制作選抜展
“Vento della pace2”展(マケドニア国立現代美術館、作品収蔵:スコピエ市、マケドニア国立現代美術館、オークリッド市)
2008年 第62回二紀展 奨励賞受賞
2009年 第11回フィレンツェ賞展 入選
2010年 日動画廊現代洋画展(長崎浜屋、同2011年)
2011年 小川恵展(ギャラリー十露)
その他、個展・グループ展多数
現在 二紀会広島支部所属、広島大学教育学研究科博士課程後期在籍
その他、北海道 秋田 東京 京都 兵庫など各地で個展、グループ展など
終わりの記憶 震災復興特別賞
「刻の形象-祈り-」
吉田 卓哉    山形県

■作家コメント

 時間をかけてゆっくりと変容していくものや、過去から現在、そして未来にかけて変わらずに大事に伝え継がれていくものに対して、私は畏敬の念を持つとともに美しさを感じます。自然のなかで風雪にさらされ風化した石造りの祠を画面中央に据え、これもまた自然が生んだ異形の造形物である鹿ケ谷南瓜をその内部に納めました。供物として小さな南瓜と蟹を配し、周囲には毎夏取材に訪れている海辺の穏やかな風景と、そこにまつわる伝承のなかに登場する白蛇を荒縄とともに描きました。
 制作途中、東日本大震災が起こりました。私の住んでいる山形では幸い被害がほとんどなかったのですが、隣県の岩手・宮城・福島の惨状を知るごとに無力感に打ちのめされ、しばらく筆が持てませんでした。一瞬で風景を変えてしまった自然の猛威からは、暴力的な恐ろしさしか感じられなかったのです。しかしながら、自分にできることは作品を作り続けることしかないと気づき、搬入ぎりぎりまで粘って何とか形にしました。
 絵の具層を積み重ね、削り取ることを延々と繰り返すことで、私の作品は独特の画肌を獲得します。この行為は自分にとって「祈り」に近い感覚のものです。また、画中の白蛇は吉兆を知らせる使いでもあります。今回の震災でお亡くなりになられた方に対しご冥福をお祈りするとともに、一日も早く復興が進むことを願っています。

■作者略歴

吉田 卓哉 (1972年生まれ)
1995年 筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画分野 卒業
1996年 第50回記念二紀展 入選(以後毎回出品、2008年 奨励賞、10年 同人推挙)
1997年 筑波大学大学院修士課程芸術研究科美術専攻洋画分野 修了
茨大・筑大卒業・修了制作選抜展(東海村ステーションギャラリー)
1998年 二人展(ぎゃるり葦)
1999年 第54回山形県総合美術展 入選(同2010年、08年 県美展賞、09年 山形新聞社賞)
2004年 第9回ふるさとの風景展 入選(2005年 準大賞、06年 大賞、07年 招待出品)
第7回春季二紀展(同2006年、10年)
2006年 個展(ギャラリーパセオ)
2008年 第10回フィレンツェ賞展 佳作(同2010年、09年 入選)
現在 山形県立山形南高等学校教諭、二紀会同人
現在

二紀会準会員、東北芸術工科大学准教授

入選作品リスト

■佳作

伊庭 広人 IBA Hirohito 展望198 明日への架け橋2011 滋賀県
佐々木 六介 SASAKI Rokusuke Flower of romance 山梨県
佐藤 彩絵 SATO Sae compensation 山形県
田中 出 TANAKA Izuru TSUNAMI 2011.03.11 東京都
藤井 誠 FUJII Makoto 遥か 埼玉県
湊 良太 MINATO Ryota LIFE CYCLE 石川県
森矢 かおる MORIYA Kaoru 鼓動 東京都
山本 智之 YAMAMOTO Tomoyuki 約束の庭にて 埼玉県
吉田 正俊 YOSHIDA Masatoshi 新潟県

 

■入選

青木 香保里 AOKI Kaori 発生 東京都
安藤 克也 ANDO Katsuya Space 埼玉県
飯村 優介 IIMURA Yusuke 水象カイジンSI 神奈川県
家村 誠 IEMURA Makoto ココダヨ 宮崎県
大瀧 洋平 OTAKI Yohei マイホーム 新潟県
岡 孝敏 OKA Takatoshi 記憶ノヌケガラ 岡山県
桐原 瑛奈 KIRIHARA Eina card game; 東京都
桐山 和彦 KIRIYAMA Kazuhiko 黒い翼 兵庫県
小池 悟 KOIKE Satoru 方舟'11-Ⅲ 長野県
斎木 敦智 SAIKI Atsutoshi まなざし 兵庫県
下斗米 大作 SHIMOTOMAI Daisaku イコン〈紙の舟〉 宮城県
菅谷 扶美雄 SUGAYA Fumio あるばむ 東京都
玉木 泰行 TAMAKI Yasuyuki bird 兵庫県
戸田 麻子 TODA Asako A coffin of phallus 長崎県
鳥越 義弘 TORIGOE Yoshihiro Green Scenery 茨城県
中尾 真奈 NAKAO Mana 墨色の残跡 大阪府
長久保 怜美 NAGAKUBO Satomi つたふ・めぐる・ひらく 愛知県
中村 英生 NAKAMURA Hideo 飲酒 千葉県
樋口 健介 HIGUCHI Kensuke 吊るされた象 茨城県
福田 喜美子 FUKUDA Kimiko つつむ 茨城県
藤井 泰世 FUJII Yasuyo ねこたまご 神奈川県
柳澤 裕貴 YANAGISAWA Yuki ゆらめく光の中で…。 群馬県
山本 誠 YAMAMOTO Makoto la habitacion 私の記憶 岡山県
吉井 寿美子 YOSHII Sumiko 抽斗 東京都
渡邉 加奈 WATANABE Kana 海に成る 大阪府

お問合せ

お問合せは公募展事務局までお願いいたします。
〒950-1101 新潟県新潟市西区山田451 雪梁舎美術館「公募展事務局」係
TEL 025-377-1888 / FAX 025-377-1881