フィレンツェ賞展

趣旨

 ルネッサンス文化発祥の地、イタリア・フィレンツェは、世界的な芸術の都です。  このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として「第17回フィレンツェ賞展」を開催いたします。大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。さらに雪梁舎美術館は新たな飛躍を目指して、平成26年6月にイタリアのフィレンツェ美術アカデミアと日本国内としては初となる提携を結びました。「雪梁舎フィレンツェ賞展」を通じて新たな国際交流と若手作家の育成に努めるため、平成27年第17回雪梁舎フィレンツェ賞展より実施いたします。
 50歳以下、具象系という制限のなか、全国の37都道府県より176点の応募があり、厳正なる審査のうえ、5点の入賞作品をふくむ41点の入選作品が選考されました。
 入賞・入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を、心から祈念いたします。

■展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2015年8月9日(日)~9月27日(日)
【東京展】 東京都美術館 2015年10月12日(月)~18日(日)
【京都展】京都府京都文化博物館 2015年11月17日(火)~23日(月・祝)

■主催

公益財団法人 雪梁舎美術館

■協賛

株式会社 コメリ

■協力

フィレンツェ美術アカデミア

■後援

在日イタリア大使館、イタリア文化会館、新潟県、京都府京都文化博物館、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、NST、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、エフエムラジオ新潟、FM PORT79.0

第17回雪梁舎フィレンツェ賞展の概要はこちら

応募規格

■応募資格

50歳以下(1964年1月1日以降生まれ)の具象系。経歴、所属は問いません。

■作品資格

S100号(162.1cm×162.1cm)以下の絵画(未発表作品)。1人1点。

■フィレンツェ大賞(1点)

3ヶ月間のフィレンツェ市での制作活動を支援。
フィレンツェ美術アカデミアでの特別聴講。 (渡航費・滞在費・交通費支給)
※作品は帰属

■フィレンツェ美術アカデミア賞(1点)

1ヶ月間のフィレンツェ市での制作活動を支援。
フィレンツェ美術アカデミアでの特別聴講。 (渡航費・滞在費・交通費支給)
※作品は帰属

■優秀賞(3点)

賞金30万円

■佳作

 

■入選

 

展覧会

【新潟展】 雪梁舎美術館 2015年8月9日(日)~9月27日(日)
【東京展】 東京都美術館 2015年10月12日(月・祝)~18日(日)
【京都展】 京都府京都文化博物館 2015年11月17日(火)~23日(月・祝)

受賞作品

移りゆく日 フィレンツェ大賞
「Danchism 」
中山 紘樹   神奈川県

■作家コメント

 《Danchism》は、団地に住む人々の生活をテーマに表現しました。
 私が興味を持っている団地の形態には、共通の規格化された構造が備わっています。たとえば何気なく団地というものを思い浮かべると、イメージされるのは、多くの集合住宅群の塊や、規則的に並んだ窓や柵などが強く浮かぶと思います。しかし、そこに存在するのは無機質で機械的な建造物だけではありません。そこには時代を超えた多くの人の多様な暮らしが存在しています。外観は一見均質なものに見えてしまいますが、時代ごとに移り行く住民の営みに一様なものはなく、一部屋ごとに住居者の個性はディティールに表出されています。そういった要素は無機質な物体に少しの人間的な暖かさを与えます。
 現代社会や私たちは、時間とともに変容をしていきます。私は人々の日常生活の描画を通して、その時代の人々や社会を表現したいと考えています。

■作者略歴

中山 紘樹(1991年生まれ)
1991年 神奈川県生まれ
2012年 東京学芸大学 入学
第80回独立展 入選(以後毎年)
2014年 第16回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選
2015年 ビエンナーレOME 2015 入選
Tree climbing フィレンツェ美術アカデミア賞
「春の蝉」
橋本 大輔    茨城県

■作家コメント

  光と形の関係性が生み出す秩序を、画面上で絵の具と運動の集積による秩序に置き換えること。そのなかで生まれる私の時間を、一筆一筆大切にしながら制作しています。
 絵具は層となって理想の像への梯子になります。今日の私の痕跡が、明日の私のための道標になることを想い、日々精進していこうと思います。
 移り変わる時間の中で、世界がきらめく瞬間を逃さないように。そして、いつまでも変わらないものを見つめ、画面に記していきたいと思います。

■作者略歴

橋本 大輔(1992年生まれ)
1992年 茨城県生まれ
2011年 第79回独立展 入選(以後毎年)
2013年 ビエンナーレOME 2013 入選
第31回上野の森美術館大賞展 入選(以後毎年)
独立春季新人選抜展2013
第15回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(以後毎年)
第81回独立展 新人賞
2014年 独立春季新人選抜展2014 選抜展賞
第10回世界絵画大賞展 入選
第82回独立展 小島賞
FACE2015 損保ジャパン日本興亜美術賞 入選
2015年 東京学芸大学中等教員養成課程美術専攻 卒業
第33回上野の森美術館大賞展 優秀賞
アートオリンピア2015 実行委員特別賞
第四回青木繁記念大賞西日本美術展 西日本新聞社新人賞
第11回世界絵画大賞展 協賛社賞
現在 東京芸術大学院芸術学専攻美術教育研究室在学中
おおきなちず 優秀賞
「べと」
大瀧 洋平    新潟県

■作家コメント

 ここ10年ほど、身近なものをモチーフに絵を描いています。
 生活の中で素敵な「形」や「色」や「雰囲気」を持ったものに出会うと、それを絵にしたい衝動にかられるようです。
 私は今魚沼に住んでいて、毎日たんぼの中の一本道を通って職場へ向かいます。五月頃には、その風景が一面鏡のようになります。そんな中に見つけた、この土地らしい形を描きました。
 ところで今回タイトルをつける時に、「べと」が方言であることを知りました。幼い頃から祖父母をはじめ、周囲の人が自然と口にしていたこの言葉には、自分の住む土地や作物への親しみがこもっているように感じます。
 これからも、身近なものから自分が感じたさりげない魅力を、誰かにそっと紹介するような絵を描いて行きたいと思います。

■作者略歴

大瀧 洋平(1982年生まれ)
1982年 新潟県生まれ
2004年 第5回西脇市サムホール大賞展 入選(2008、10、12、14年も)
2005年 長岡造形大学造形学部産業デザイン学科視覚デザインコース 卒業
二人展(ギャラリーdotONE/新潟県長岡市)
2006年 第8回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選
2007年 ワンダーシード2007 入選
文星芸術大学大学院芸術研究科美術専攻油画コース 修了
さかいでArtグランプリ2007 入選(2009年も)
シェル美術賞展2007 入選
2008年 シェル美術賞展2007京都展
第14回2008公募ふるさとの風景展 準大賞(2009、11、12、14年入選、10、13年奨励賞)
2009年 第8回熊谷守一大賞展 入選
2011年 第13回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選
2013年 エックス展IV 若きクリエイターたちの自由表現2013 出品(新潟市美術館・小羊画廊/新潟市)
2014年 Colors-4 ニイガタからの風 出品(ギャラリーart Truth/横浜市)
第16回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選
イワタート9~日本家屋でのアート展 出品(岩田ギャラリー/新潟市)
2015年 第26回美浜美術展 福井県知事賞
エックス展Ⅵ 若きクリエイターたちの自由表現2015 hangen Art 出品(ギャラリーゆうむ/新潟市)
BURDEN 優秀賞
「TOKIO Swimmers」
中野 修一    秋田県

■作家コメント

 楽園を捜して
 戦争、テロ、疫病、地球温暖化、地震、津波、原発事故...
 今、自分が住んでいるこの世界に、そこはかとない不安とか恐怖を感じたとき、私は「楽園」という言葉を思い浮かべます。
 別に宗教的な救いを求める訳でもないし、具体的なイメージやビジョンがある訳ではありませんが、ただその言葉を思い出したとき、平和があり、やさしさがあり、静けさがあり、いつまでも穏やかに暮らせるような場所を想像するのです。
 生きていく以上、これらの災厄と向き合って行かなければならない時もあります。また私たち自身も何かを殺して食べなければ生きて行けないのであれば、全ての生き物にとっての「楽園」みたいな世界なんて、ただの夢物語なのかもしれません。
 それでも、私はどこかにあるかもしれない「楽園」を夢想します。
 理想郷ではないけれど、今のこの世界よりも、少しだけ静かで、少しだけ平安で、少しだけやさしい場所。
 OSAKA, KOBE, KYOTO, NAGOYA, SAPPORO, TOKIO...
 かれらもまたそんな「楽園」を捜して、今日もどこかをさまよっているのかもしれません。

■作者略歴

中野 修一(1966年生まれ)
1966年 北海道生まれ
2000年より作家活動開始
2002年 第6回小磯良平大賞展 入選
2005年 初個展(アートギャラリー北野/京都市)
2008年 第8回西脇市サムホール大賞展 審査委員賞
第10回 雪梁舎フィレンツェ賞展 入選
2009年 第8回熊谷守一大賞展 賞候補
2010年 第28回上野の森美術館大賞展 賞候補
2014年 Select Art Fair NYC 参加
CONTEMPORARY ART INTERNATIONAL ZURICH 参加
その他、北海道 秋田 東京 京都 兵庫など各地で個展、グループ展など
終わりの記憶 優秀賞
「海神譚」
吉田 卓哉    山形県

■作家コメント

 夏の穏やかに凪いだ日本海の風景が、この絵のイメージの源泉です。
 絵の具層を積み重ね、削り取る行為を延々と繰り返すことで生まれる画肌が、悠久の歳月を経て浸食され変容してきたであろう磯の岩肌とシンクロし、大魚の姿を借りて現れた海神(わだつみ)を浮かび上がらせてくれました。
 豊饒の恵みをもたらす海の祝祭がテーマであり、畏れや祈りといった根源的な信仰のカタチに思いを馳せながら表現しました。

■作者略歴

吉田 卓哉(1972年生まれ)
1972年 山形県生まれ
1995年 筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画分野 卒業
1996年 第50回記念二紀展 入選(以後毎年出品、2008年奨励賞、10年同人推挙)
1997年 筑波大学大学院修士課程芸術研究科美術専攻洋画分野 修了
茨大・筑大卒業・修了制作選抜展(東海村ステーションギャラリー)
1998年 二人展(ぎゃるり葦)
1999年 第54回山形県総合美術展 入選(2010年も、08年県美展賞、09、14年山形新聞社賞)
2004年 第9回ふるさとの風景展 入選(2005年準大賞、06年大賞、07年招待出品)
第7回春季二紀展(2006、09、13、15年も)
2006年 個展(ギャラリーパセオ)
2008年 第10回記念雪梁舎フィレンツェ賞展 佳作賞(2010、12、13年も、09、14年入選、11年震災復興特別賞)
2014年 第5回風の会展
現在 二紀会準会員、東北芸術工科大学准教授

入選作品リスト

■佳作

伊庭 広人 イバヒロヒト 展望 246
今林 明子 イマバヤシアキコ 無窮の海を漕いで行く
佐藤 みちる サトウミチル 彼方
鳥越 義弘 トリゴエヨシヒロ 生長記録
中尾 真奈 ナカオマナ 静寂の片隅
中原 未央 ナカハラミオ じゅく2
野出 員子 ノデカズコ 大地のかべ
松山 美生 マツヤマミオ 日射の稜線
望月 昭伸 モチヅキアキノブ  目覚め

 

■入選

足立 慎治 アダチシンジ ハレルサ(鏡)
稲葉 未来 イナバミキ 宙に咲く
井上 貴絵 イノウエタカエ 湧水
井上 花 イノウエハナ 未曾有
岡 孝敏 オカタカトシ After the rain
笠原 浩美 カサハラヒロミ 我々時間!
金井 萌英 カナイモエ 醒めてから
桐山 和彦 キリヤマカズヒコ 再会の刻
楠森 道剛 クスモリミチタカ Nostalgia
塩満 幸香 シオミツサチカ 黒が見てる
柴田 真実 シバタマミ 都市の畝り
鈴木 ほのみ スズキホノミ Confidential talk 2015
宗田 晃 ソウダアキラ sense
薗田 雅俊 ソノダマサトシ 忘却
高尾 明日香 タカオアスカ long time
竹居 みき タケイミキ empty time
玉木 泰行 タマキヤスユキ
忠田 愛 チュウダアイ 櫂を漕ぐ
築山 佳民 ツキヤマヨシタミ 帰る場所(望郷)
畑林 和貴 ハタバヤシカズキ まぶしい頃の
兵頭 浩章 ヒョウドウヒロアキ 赤松海岸
松浪 吉樹 マツナミヨシキ ニャンが見つめる世界
美濃 寿則 ミノトシノリ 風景
森山 祐樹 モリヤマユウキ 橋の上から見た街
山本 啓亮 ヤマモトケイスケ 雨男
山本 智之 ヤマモトトモユキ けだかく つつましく
渡邉 ゆう ワタナベユウ いつか

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