ルネッサンス文化発祥の地、フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として、「第19回雪梁舎フィレンツェ賞展」を開催いたします。
大賞受賞者には、芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と、芸術の育成を図ることを目指して作品を募集しております。
さらに雪梁舎美術館は新たな飛躍を目指して、平成26年6月にイタリアのフィレンツェ美術アカデミアと日本国内としては初となる提携を結びました。これにより「雪梁舎フィレンツェ賞展」を通じた新たな国際交流と、若手作家の育成につとめます。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国より132点の応募があり、厳正なる審査の結果、6点の入賞作品を含む42点の入選作品が選考されました。入賞、入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますと共に、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を心から祈念いたします。
「フィレンツェ賞展」は、雪梁舎美術館の設立者であり、株式会社コメリの創業者でもある捧賢一(雪梁舎美術館名誉理事長)が発案し、1999年から開始したものです。
【新潟展】 雪梁舎美術館 2017年8月6日(日)~9月24日(日)
【東京展】 東京都美術館 2017年10月24日(火)~30日(月)
※両会場とも全入賞・入選作品を展示します。
公益財団法人 雪梁舎美術館
株式会社 コメリ
フィレンツェ美術アカデミア
在日イタリア大使館、イタリア文化会館、新潟県、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、NST、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、エフエムラジオ新潟、FM PORT79.0
■フィレンツェ大賞 |
「旅立ち」 陳 芃宇 |
生活で見える 自然
触れる 日常
それに対し生まれた感情を基に「人」というテーマで
様々な感情や思いを述べています
この作品のモチーフとした自転車は、日常生活で日々使われるものであり、行きたいところへ連れていってくれる移動手段です。でも私にとって自転車は、一人一人が存在している象徴に思えます。自転車は人が乗らないとただの冷たい金属の製品ですが、駐輪場に停まった自転車が各家庭、各地方から乗って来て、ここに集まった「人々」であると私は感じます。そしてそれぞれの自転車が背負った使命はただの移動手段だけではなく、人々と出会わせ、未知の目的地まで探検させてくれる「旅人」の仲間としての役割もあります。
旅が始まります。どこまで連れていってくれるでしょうか…。
陳 芃宇(1984年生まれ) | |
1984年 | 台湾台北市生まれ |
2006年 | 国立台湾芸術大学美術学院書画芸術学系 卒業 |
2009年 | 第35回東京春季創画展 入選(2013年以降毎年) |
2010年 | 国立台湾芸術大学美術学院書画芸術学系 修了 |
2012年 | 公募‐日本の絵画2012 布施英利賞 |
2013年 | 第31回上野の森美術館大賞展 入選(2014、15年も) |
2014年 | 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻日本画領域 修了 筑波大学芸術賞 作品収蔵 |
2015年 | 第42回創画展 奨励賞(2013、14、16年入選) |
2017年 | 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程芸術専攻日本画領域 修了 106年全国美術展 銀賞(国立台湾美術館) |
現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科 博士後期特別研究員、創画会会友 |
「からだになる」 桂 典子 |
私は皮膚が弱く、ボロボロと皮膚が落ちてきます。
その皮膚達を見ていると、自分はこの子達によってつくられていたのだ、と実感します。
あらゆる生きもの(生きものに限った事ではありませんが)は、沢山の他の生きもの達によってつくられています。
それは体を構成する細胞達であったり、また、そのものになるための食べものでもあります。
何かが存在するということは、そのものをつくっているもの達がいる、そしてそのもの達も生きている。
その生き生きしたもの達が愛おしく感じられ、愛情をこめて描きました。
桂 典子(1988年生まれ) | |
1988年 | 山口県生まれ |
2010年 | 第20回ARTBOX大賞展 準グランプリ 第6回世界絵画大賞展 優秀賞 第31期国際瀧冨士美術賞 受賞 |
2011年 | 佐藤美術館平成23年度第21期奨学生、作品買い上げ |
2013年 | 武蔵野美術大学修士課程造形研究科美術専攻油絵コース 卒業 第31回上野の森美術館大賞展 入選 アートアワードトーキョー丸の内2013 |
2014年 | 前田寛治大賞展 |
2015年 | 個展「たべてたべられ、つくりつくられ」(コートギャラリー国立) |
2016年 | 個展「じゅんかん」(gallery suchi) 第34回上野の森美術館大賞展 賞候補 |
2017年 | アートオリンピア2017 入賞 個展「こたい」(あらかわ画廊) |
その他、個展・グループ展など |
■コメリ賞 |
「展望 254」 伊庭 広人 |
「最大の名誉は、けっして倒れないことではない。
倒れるたびに、起き上がることである。」 孔子
「展望」は、この時代を生きる心象風景である。
時代は危うく浮遊する。
薄っぺらな足元は頼りなく、日々危機を感じずにはいられない。
しかし後は天に委ねて、穏やかな態度をとる自由がある。
不安も後悔も焦りもなく、全て受け入れ、
静かな覚悟で歩み続ける自由がある。
困難すらエネルギーに変えて、笑って飛び込んでゆくことも選択できる。
光は常に、私たちに道を示している。
伊庭 広人(1968年生まれ) | |
1968年 | 滋賀県生まれ |
1993年 | 京都精華大学美術学部洋画科 卒業 |
2000年 | 京都美術工芸展 優秀賞 第2回雪梁舎フィレンツェ賞展 佳作(2005、11、14、15、16年も) |
2002年 | さかいでArtグランプリ 佳作(2004、05年も。2003年秀作賞) 新鋭美術選抜展(京都市) (2005年も) |
2003年 | 京展 京都市美術館賞(コレクション賞) (2011年須田賞) |
2004年 | 第8回新生展 大賞 個展(清須市はるひ美術館) |
2005年 | 京都府美術工芸新鋭選抜展 両洋の眼展 |
2006年 | 個展(新生堂) |
2008年 | 個展(近江八幡市立かわらミュージアム) |
2009年 | 第48回北陸中日美術展 中日大賞 |
2010年 | ビエンナーレKUMAMOTO FINAL グランプリ熊日賞 |
2012年 | 京都美術工芸ビエンナーレ 日本経済新聞社賞 公募日本の絵画2012 優秀賞 |
2014年 | 第32回上野の森美術館大賞展 優秀賞 ニッポン放送賞 個展(永井画廊) |
2015年 | アートオリンピア2015 入賞(国内審査4位) |
2016年 | BIWAKO大賞展 A氏賞 |
2017年 | アートオリンピア2017 入賞(国内審査1位) |
作品収蔵 京都市美術館、熊本県立美術館、上野の森美術館、近江八幡市 |
■優秀賞 |
「現代風景Ⅰ」 野出 員子 |
いつの時代にも在る生態をいかに自分らしく表現できるか、今ここに在る自分の命と家族や友人知人に感謝の気持ちを思い筆を走らせる…形や言葉に表しにくい気持ちを虫の姿に重ね合わせ思いを馳せ描いています。私にとって絵とは生きがいであり分身でもあります。
野出 員子(1979年生まれ) | |
1979年 | 福岡県生まれ |
2000年 | 第56回福岡県美術展 入選(2001、05、06、07年も) |
2002年 | 第4回はままつ全国絵画公募展 入選 |
2003年 | 第88回二科展 入選 |
2004年 | 第38回福岡市美術展 入賞 |
2008年 | 第64回福岡県美術展 入賞(2009、10年も) |
2009年 | 第63回女流画家協会展 入選 |
2011年 | 福岡県美術協会 会員 |
2012年 | 第80回独立展 入選(2013年も) |
2013年 | 第22回英展 招待 |
2014年 | 粕屋地区美術展 審査員 |
2015年 | 第56回北九州美術家連盟展 大賞 第17回雪梁舎フィレンツェ賞展 佳作 |
2016年 | 第57回北九州美術家連盟展 準大賞 北九州美術家連盟 会員 |
その他、グループ展など |
■優秀賞 |
「首途」 板倉 万里 |
おとなになることは簡単である。
役所でめんどうな手続きをする必要もない。夜なべするほどむずかしい試験に合格する必要もない。投票で選ばれるわけでもないから、駅を行き交う人々に毎朝むなしく演説しなくたっていい。財産も、地位も名誉もいらない。ただ過ごしていればいい。じっくり、ゆっくり、たまにせわしなく。
そうして二十年ほどたったころには、晴れておとなになっている。レンタル振袖の案内が届く。会計を済ませたあと、駐車券はあるかとたずねられる。友人とおとずれた飲食店でアルコールメニューを手渡される。わたしがなにも変わっていなくても、世間はわたしをおとなとして扱いはじめる。なにもしなくても、わたしはおとなにされる。
まだ制服のスカートを短くしたりしていたいのに。ショッピングモールで母の長い買い物にうんざりしたり、お子様ランチを食べたりしたいのに。ジュースだっておいしいんだから、高いお酒なんかよりそっちを勧めてよ。
わたしはまだ、おとなになりたいなんてひとこともいってないのに。
それでもわたしはもうすぐはたちになる。
わたしはおとなになる。
板倉 万里(1997年生まれ) | |
1997年 | 千葉県生まれ |
2016年 | 東京学芸大学 入学 |
■優秀賞 |
「SAD GIRL Ⅰ」 畑林 和貴 |
ものがゆっくりと時間を経て少しずつ小さな傷や錆を纏っていくように、人も意識することもできないほどささやかに、少しずつ変わってしまっている部分があるのかもしれない、と思ったことがきっかけで今回の作品を描き始めました。
制作中、ランドセルを忘れて登校してしまったことや、友達からもらったキーホルダーとか、50円で売っていたジュースのことを思い出して、久々にあのジュースが飲みたいなあ、とか考えながら描いていたと思います。
畑林 和貴(1992年生まれ) | |
2015年 | 弘前大学学校教育教員養成課程教科教育専攻美術専修 卒業 第17回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選 第83回独立展 入選 |
2016年 | 第12回世界絵画大賞展 協賛社賞(アートプリントジャパン賞) 第18回雪梁舎フィレンツェ賞展 佳作 第84回独立展 賞候補 第34回上野の森美術館大賞展 賞候補 FACE2016 損保ジャパン日本興亜美術賞 入選(2017年も) FINE ART UNIVERSITY SELECTION 2016-2017 新進芸術家育成交流作品展 優秀作品賞 |
2017年 | 東京学芸大学大学院教育学専攻 卒業 第35回三菱アート・ゲート・プログラム 入選 ビエンナーレ青梅2017 入選 |
現在 | 東京藝術大学大学院芸術学専攻美術教育研究室在学 |
新潟展・東京展ご来場者様による全展示作品を対象とした、「オーディエンス賞」の投票が行われました。
投票総数688票の集計の結果、伊庭広人さんの《展望254》が選出されました。
伊庭さんには記念の盾を贈呈します。
※全投票者の中から抽選で20名の方にあたる「第19回フィレンツェ賞展図録」は11月下旬ころの発送とさせていただきます。
(発表は発送をもってかえさせていただきます)
「展望 254」 伊庭 広人 |
ありがとうございます。
大勢の方に投票戴いた「オーディエンス賞」、大変励みになります。
書いて頂いた感想を読むにつれ、
"観ていただいている"
という実感が込み上げました。
また普段、自身の作品の感想を聞く機会がない私にとって、大変興味深く参考になりました。
改めて、来場して下さった方々、投票して下さった方々、感想を書いて下さった方々、
ありがとうございました。
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鶴巻 貴子 | Utopie ; Lotus |
川上 由真 | 片隅 |
今吉 遥香 | 温かい海 |
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遠山 彩夏 | KIKURAGE |
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中尾 真奈 | 枯朽のフラグメント |
(順不同)