ルネッサンス文化発祥の地、フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として、「第20回記念雪梁舎フィレンツェ賞展」を開催いたします。
受賞者には芸術の都フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と、芸術の育成を図ることを目指して作品を募集しております。さらに雪梁舎美術館は新たな飛躍を目指して、2014年6月にイタリアのフィレンツェ美術アカ
デミアと日本国内としては初となる提携を結びました。これにより「雪梁舎フィレンツェ賞展」を通じた新たな国際交流と、若手作家の育成につとめます。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国より260点(うち229点出品)の応募があり、厳正なる審査の結果、6点の入賞作品を含む38点の入選作品が選考されました。
入賞、入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますと共に、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を心から祈念いたします。
「フィレンツェ賞展」は、雪梁舎美術館の設立者であり、株式会社コメリの創業者
でもある故・捧賢一が発案し、1999年から開始したものです。
雪梁舎美術館
2018年8月5日(日)~9月9日(日)
東京都美術館
2018年10月24日(水)~30日(火)
※両会場とも全入賞・入選作品を展示します。
公益財団法人 雪梁舎美術館
株式会社 コメリ
フィレンツェ美術アカデミア
在日イタリア大使館、イタリア文化会館、新潟県、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、NST、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、エフエムラジオ新潟、FM PORT79.0
フィレンツェ大賞 小さな銀河の物語 沼田 愛実 |
心に留まった様々な要素の欠片が、ある時一つに結びつく瞬間があります。
それらを物語のようにつなぎ合わせ、その本の表紙を描くように作品を制作しています。
そしてその中身は、人生とは何かについて考えるものでありたいと思っています。
ここ数年、静物画を中心に制作を行ってきました。
普段、人のそばで静かに佇むばかりの静物たちは、歴史から、神話から、人々の営みから、様々な物語を吹き込まれています。
そして、それは今日も同じです。
私は、生きて感じているその今日の部分を新たに静物に吹き込み、命の通った静物画を描いていきたいと思っています。
沼田愛実(1993年生まれ) | |
1993年 | 山口県生まれ |
2013年 | 第81回独立展 入選(以後毎年) |
2014年 | 第68回女流画家協会展 入選(以後毎年) |
2016年 | 第84回独立展 新人賞 第18回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(以後毎年) |
2017年 | 第71回女流画家協会展 大村文子賞 東京学芸大学教育学部中等教育教員養成課程美術専攻 卒業 |
2018年 | 第39回三菱商事アート・ゲート・プログラム 入選 第53回昭和会展 入選 第72回女流画家協会展 女流画家協会賞 |
現在 | 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻在学 |
フィレンツェ美術アカデミア賞 遮蔽の切杭 中尾 真奈 |
人生で初めて公募展に入選したのが、第10回記念雪梁舎フィレンツェ賞展でした。
なので、とても思い入れのあるフィレンツェ賞展の第20回記念で賞を頂けたのは、とても感慨深く思います。
私は植物、特に木の表皮や切り株の年輪を描くのが大好きです。
最初は純粋にその部分を描く事が好きだったのですが、長く描いて行くにつれて過去に描いた切り株が、どんどん形を変えて行く事に気付きました。
10年前に描いた切り株は、今は周りが朽ち果て、中心部分が小さくひっそりと残るだけ。
他にも落ち葉や苔に覆い隠されて見えなくなってしまった物や、土に埋もれてボロボロになってしまった物と様々でした。
その姿に、儚く、寂しく、そしていつか地に還り、朽ちていく存在として改めて魅力を感じたのです。
中尾真奈(1981年生まれ) | |
1981年 | 大阪府生まれ |
2002年 | 成安造形短期大学造形芸術科美術コース日本画 卒業 |
2004年 | 成安造形短期大学専攻科美術コース造形芸術専攻日本画 卒業 京都学生日本画作品展(ホテルグランヴィア京都) |
2007年 | 日本画グループ展「成展」(2008、9、10、11年も/京都文化芸術会館) |
2008年 | 第10回記念雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(2009、11、12、13、14、17年入選、2010、15年佳作) |
2009年 | 大阪成蹊大学芸術学部美術工芸科絵画表現領域日本画研究課程 終了 第35回春季創画展 入選(2014年も。2013年春季展賞) 京展 入選(2011年も) |
2013年 | 第40回記念創画展 入選 |
2017年 | 2017京都日本画家協会第5期展(京都文化博物館) |
現在 | 京都日本画家協会会員 |
第20回記念賞 夏草の粒 古石 紫織 |
絵を描くとき、私は自分の庭を散歩する。
今までに出逢ってきた心揺さぶられる世界を、ぎゅっと凝縮させた箱庭だ。
今ではどれほどの広さがあるのか分からないが、自分しかいない自分だけの庭を練り歩く。
今回は、温室を描いた。目に映る世界のどこまでが現実で、どこまでが夢か。あの花は手に触れる距離にあるのか、それともガラスを隔てた向こうの世界のものなのか。ひとたび風が吹けば変わる世界。その曖昧な狭間を描いた。
古石紫織(1986年生まれ) | |
1986年 | 滋賀県生まれ |
2012年 | 第48回神奈川県美術展 入選 |
2013年 | リキテックス アートプライズ2013 入選 |
2014年 | 第13回佐藤太清賞公募美術展 入選 武蔵野美術大学造形学部日本画学科 卒業 |
2015年 | 新進芸術家育成交流作品展(つくば市美術館/茨城) |
2016年 | 個展“萌芽の庭”(ガレリア・グラフィカbis/銀座) 画廊企画 個展“水の深呼吸”(コートギャラリー国立/国立) |
2018年 | 個展“陽だまりの誘い”(藤屋画廊/銀座) |
優秀賞 いろはに 開藤 菜々子 |
私は石や廃墟など形が崩れゆくものを描いている
存在するからこそ、いつか風化していく
その現象における、刹那に感じた美しさを日本画の材料を用いることで表現している
日本画の材料の中でも、特に銀箔と和紙を用いている
それは、銀箔が年月を経ることで酸化し作品が変化していくことが、まるで風化していくような儚さを感じさせ、モチーフからイメージされる刹那の美しさを表現するために使用している
また和紙を何層にも重ね合わせることで、イメージをより膨らませ深めていく
今回の作品では縦に積み上げられる石を描いた
崩れそうな石は互いの重みで支えあうことで構築されているように見えるが、実際に積み上げようとしても現実では崩れていく
現実で実現できないものを描くことで、虚構と現実の狭間の美しさを表現した
開藤菜々子(1990年生まれ) | |
1990年 | 東京都生まれ |
2012年 | 碧い石見の芸術祭2012 全国美術大学奨学日本画展 |
2013年 | 第16回大阪芸術大学学生オークション作品展示販売 |
2014年 | 大阪芸術大学芸術学部美術学科日本画コース 卒業 碧い石見の芸術祭2014 全国美術大学奨学日本画展 |
2015年 | 第14回福知山市佐藤太清賞公募美術展日本画の部 入選 大阪芸術大学グループ創立70周年記念 日韓中米国際交流作品展 展示 |
2016年 | 第15回福知山市佐藤太清賞公募美術展日本画の部 福知山市長賞 りんくうプレミアムアウトレット店×大阪芸術大学 展示 大阪芸術大学大学院芸術研究科芸術制作専攻前期課程修士 修了 塚本学院校友会会長賞 大阪芸術大学学長表彰 |
2017年 | 第16回福知山市佐藤太清賞公募美術展日本画の部 佐藤太清賞 日本の絵画2016 入選 旧岡田家住宅・酒蔵、旧石橋家住宅 新古宮展(4月1日~16日)展示 sicf18 展示 第63回全関西美術展日本画 入選 第7回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展 入選(審査員推奨 佐藤道信) ヤングクリエイターズアワード2017 優秀賞、加藤義夫審査員賞 DOJIM RIVER AWARDS 2017 -NUDE- 佳作賞 |
2018年 | sicf19 展示 |
優秀賞 翠緑の 河原 由佳 |
植物は季節によって様々な感情を呼び起こしてくれます。
春には暖かくなった喜び、秋には郷愁、冬には寒さに耐える強かさ…。
夏に見る植物には、他のどの季節にもない強い生命の輝きを感じさせてくれます。見上げた眼前いっぱいに広がる緑、その鮮やかさと輝きに思いを馳せながら描きました。
河原由佳(1995年生まれ) | |
1995年 | 埼玉県生まれ |
2017年 | 筑波大学芸術専門学群美術専攻洋画コース 卒業 筑波大学茗渓会賞 作品収蔵 第67回埼玉県展 入選 |
2018年 | 第58回蒼騎展 新人賞 第14回世界絵画大賞展 入選 |
現在 | 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域在学 |
優秀賞 ユートピアⅡ 朴 常希 |
現代人は発達した文明の中で豊かに暮らしているように見えますが、多忙な生活の中で疲れたり寂しさを感じたりするときもあります。しかし私たちはこのような生活の中でも自分だけの細やかで素朴な幸せを楽しんでいると思います。例えば、美味しい店を探し回ったり、一生懸命に働いて高価な靴やバッグなどを買ったり、日常から離れて旅行をしたりします。
この作品で椅子は休みを象徴しています。忙しい日常生活の中で一休みの時や日課を終えて椅子に座っている時間は私にとって日常から抜け出して自分だけの時間を持つことができる幸せな瞬間です。このように私は吉祥の意味を持つ韓国の民画のイメージと現代的シンボルを融合することで、日常の細やかな幸福を表現しています。時代によってその基準や形は変わっても幸福という本質は同じであり、昔人々が民画という絵を通して念願が叶うことを祈っていたように、私の絵を通して忙しい日常から抜け出し、少しの余裕と幸せを感じてほしいと思っています。
朴 常希(1987年生まれ) | |
1987年 | 釜山(韓国)生まれ |
2010年 | 新羅大学(韓国)美術学部韓国画専攻卒業 第36回釜山美術大展 大賞(韓国) |
2011年 | 第30回大韓民国美術大展非具象部門 特選(韓国) 修士学位請求展(BSギャラリー、釜山/韓国) |
2012年 | 新羅大学(韓国)一般大学院美術学科韓国画専攻卒業 |
2013年 | 多摩美術大学絵画科日本画専攻研究生修了 |
2015年 | 多摩美術大学大学院博士前期課程絵画専攻日本画領域修了 朴常希展(kei ギャラリー、東京/日本) |
2017年 | 朴常希個展 THE EVOLUTION OF HAPPINESS(弘重ギャラリー、東京/日本) |
現在 | 多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程3年在学 |
新潟展・東京展ご来場者様による全展示作品を対象とした、「オーディエンス賞」の投票が行われました。
投票総数705票の集計の結果、河原 由佳さんの《翠緑の》が選出されました。
河原さんには記念の盾を贈呈します。
※全投票者の中から抽選で20名の方に当選する「第20回記念フィレンツェ賞展図録」は12月上旬ころの発送とさせていただきます。
(発表は発送をもってかえさせていただきます)
「翠緑の」 河原 由佳 |
オーディエンス賞、ありがとうございます。とても光栄に思います。
いただいた感想を読んでいると本当にたくさんの方が見てくださったのだなという実感が湧いてきました。
書いていただいた一つ一つが嬉しく、とても励みになります。
改めて会場に足を運んでくださった方々、投票してくださった方々、感想を書いてくださった方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
山本 智之 | だれも私をしらない |
Rikako | I just remember the day was really hot |
今吉 遥香 | 孤独の幸せ |
伊庭 広人 | 展望 263 |
金子 貴富 | 人の形 |
板倉 万里 | 木霊 |
小林 宏 | 芥子図 |
井戸 璃理子 | 美少女戦士Ⅱ |
松浪 吉樹 | にゃんと和とカッパッパ |
肥沼 守 | primavera |
猪股 寛昭 | 明日彼女に告白しよう |
増井 邦彦 | SHIBUYA |
丸山 一夫 | 普賢菩薩像 |
鈴木 雅詩 | 交錯 |
安藤 はるか | 美しい家~una casa bellissima~ |
野出 員子 | 命の行進Ⅰ |
森 紗貴 | ささやく |
薗田 雅俊 | Patients |
遠山 彩夏 | 華×金 |
冨田 泰世 | ねこたまご草紙 |
松田 朋子 | うぐひすの涙 |
大村 美玲 | 平野真赭 |
松原 由加子 | 零れる |
笠原 浩美 | 原風景 |
金 英淑 | 過去・未来Ⅱ |
内田 美菜 | こもり |
Emi Ashino | アリマストンビル |
icco Yoshimura | Bless You |
森 桃子 | 花の庭 |
德田 景 | contemplate |
ToYo | maestro |
大石 恵理子 | 輝映 |
(順不同)