ルネッサンス文化発祥の地、フィレンツェは、世界的な芸術の都です。
このたび、日本国内において活躍しておられる、若い精鋭作家の発掘を目的として、「第27回雪梁舎フィレンツェ賞展」を開催いたします。
フィレンツェ滞在を通して創作活動を支援し、これからの芸術文化の振興と、芸術家の育成を図ることを目指して作品を募集しております。さらに新たな飛躍を得るため、2014年6月にイタリア国立フィレンツェ美術アカデミアと日本国内としては初となる提携を結びました。これにより「雪梁舎フィレンツェ賞展」を通じた国際交流より親密になり、若手作家育成のより強固な体制 がととのいました。
50歳以下、具象系という制限のなか、全国より200点(うち189点出品)の応募があり、厳正なる審査の結果、5点の入賞作品を含む42点の入選作品が選考されました。入賞、入選されました各作家の一層のご活躍を期待しますとともに、ご出品いただきました方々のさらなるご精進を心から祈念いたします。
「フィレンツェ賞展」は、雪梁舎美術館の設立者であり、株式会社コメリの創業者でもある故・捧賢一が発案し、1999年から開始したものです。第21回展よりこれを顕彰し、新たに「ファウンダー捧賢一賞」を設けました。
雪梁舎美術館
2025年8月9日(土)~9月15日(月・祝)
東京都美術館
2025年10月24日(金)~30日(木)
※両会場とも全入賞・入選作品を展示します。
公益財団法人 美術育成財団雪梁舎
株式会社 コメリ
イタリア国立フィレンツェ美術アカデミア
在日イタリア大使館、イタリア文化会館、新潟県、新潟市、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、読売新聞新潟支局、毎日新聞新潟支局、日本経済新聞社新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、NST新潟総合テレビ、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、FM新潟77.5
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SICKO MODE 孫 叡 130.3×162.0cm 雲肌麻紙、木炭、岩絵具 |
私の絵には特にテーマとか意味とかはないです。ただ直感で描いていて、動物の姿を借りて、自分の感情とか欲望を表現しています。
描いている動物は、ある意味で自分自身でもあります。技法とかスタイルはあまり気にしていません。描くことは、私にとって本能みたいなものです。
自分の絵には生命力があると思っています。それを見た人にも、ちゃんと伝わればいいなと思っています。
孫 叡(1998年生まれ 東京都在住) | |
2024年 | 女子美術大学大学院博士前期課程日本画研究領域 在籍 再興第109回院展 初入選 女子美術大学 日本画院生1年生展 |
2025年 | グループ展「NONUPLE」(アートスペース羅針盤/東京) |
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心に残る本屋 卜 夢葉 130.3×162.0cm 和紙、岩絵具 |
京都で出会った一軒の本屋さん。初めてその姿を目にしたとき、「SNSが盛んに発達した現代に、こんなにも素朴で温かみのある本屋が残っているなんて」と、心がじんわりと温かくなりました。静かな午後の光の中、本の匂いと木の温もりに包まれたその空間は、まるで時間がゆっくりと流れているようで、とても美しく感じられました。この情景をぜひ作品として描き残したいと思いました。
穏やかな秋の日、仕事帰りにふと立ち寄った本屋で、何気なく手に取った本を静かに読みふける——そんな何気ないひとときに、日々の忙しさから解き放たれ、ゆったりとした暮らしの豊かさを感じることができました。
これまで私が描いてきた作品は、特別に難しいテーマや複雑な感情を描くものではなく、自分の心が「美しい」「感動した」と素直に感じた情景や瞬間を、ただありのままに表現してきました。そして、それらを通して見る人の心にそっと寄り添い、癒しややさしい気持ちを届けられるような作品を作りたいという思いは、今もずっと変わっていません。
卜 夢葉(1996年生まれ 新潟県在住) | |
2023年 | 第55回新潟市美術展(日本画部門)新潟日報美術振興賞 第51回新潟県芸術美術展(日本画部門)新潟県美術文化振興賞 |
2024年 | 第79回春の院展 初入選 個展(ギャラリーあらき/新潟) 再興第109回院展 初入選 第6回Shiosai公募展2024 準グランプリ |
2025年 | ACTアート大賞展2025 佳作 第38回日本の自然を描く展 入選 |
現在 | 新潟大学現代社会文化研究科博士課程 在学 |
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生きる対価をよこしなよ 高橋 周平 112.0×145.5cm キャンバス、油彩、オイルパステル、色鉛筆 |
私の絵画の主題は「いのちの存在」です。筆や動物由来の素材を一切使わず、旅で出会う風景やそこに息づく命、人々の営みを通して、すべての命が織りなす世界の尊さを描いています。
今回受賞した作品は、旅先であるインドのイママーケットで出会った光景を描き、このような詩を添えました。
ありとあらゆる品々が並ぶ
食材を売る、食事を摂る、生活を選ぶ
ここは女性だけが仕切る市場
イママーケット
活気に満ち、活力が溢れている
活きるために働く、生きるために食べる
こちらに目を遣る女性
疑問を投げかけられる
私はこうして生きている
さあ、お前は何を買う?どれを選ぶ?どう生きる?
まあとりあえず、生きる対価をよこしなよ
風景は命と時間の重なりであり、私たちの人生もまた「選択」の積み重ねです。しかし、人間社会のルールにより選択の自由を奪われ、搾取され続けている命が数多く存在します。私たち人間は、自らの自由を享受する一方で、動物や植物、ひいては地球全体に対して、その対価を払い、責任を果たしていると言えるでしょうか。私たち人間には、命の搾取を減らす選択を考え、実行する責任があります。世界は人間だけのものではなく、多様な命が共に生きる場だからです。
私が描くのは、季節や光、感情が溶け合い、二度とない儚くも美しい瞬間です。そこには人間が定めた境界線はなく、すべてが美しく曖昧に繋がり、しかし確かに生きる命が在ります。それらを描くことで、鑑賞者が命の尊さを再認識し、日々の生活で犠牲や搾取を減らす「選択」をするきっかけとなることを願っています。
高橋 周平(1995年生まれ 岐阜県在住) | |
2022年 | 南依岐・高橋周平 二人展(ギャラリー和田/東京) |
2023年 | 「anonymous collection」特別展示(anonymous bldgs./東京) WATOWA ART AWARD 2023 寺内俊博賞 |
2024年 | nine colors VXⅢ(西武渋谷店) 萱アートコンペ2024 大賞 プレジオアートコンテスト 審査員特別賞 第30回「2024公募:ふるさとの風景展 in 喜多方」 大賞 |
2025年 | 第60回昭和会展 入選 第24回アートギャラリーホーム 会長賞 ふるさとの風景展 in 喜多方 30周年記念展(喜多方市美術館) 第4回枕崎国際芸術賞展 協賛賞 |
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交差するものたち 飯田 菜津美 162.1×162.1cm パネル、油彩、UVインク |
日常の佇まいの中でふと感じた光や、掴みどころのない記憶の曖昧さを、風景などを通して表現したいと思い日々模索しながら描いています。曖昧なものではありますが、自分の内に確かに存在する景色や記憶たちを大切にし、形に残していきたいです。
飯田 菜津美(1992年生まれ 大分県在住) | |
2014年 | 第1回未来展(日動画廊、同2015・16年) 第68回女流画家協会展 クサカベB賞 |
2015年 | 東京藝術大学平山郁夫奨学金 授与 |
2016年 | 第64回東京藝術大学卒業・修了展 買い上げ賞 東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻美術教育研究室 修了 東京藝大SPRINGBOARD 2016(JR上野駅ステーションギャラリー) |
2019年 | 個展「いつかの記憶」(Gallery美庵/東京) |
2022年 | 個展「たゆたう記憶」(Gallery美庵/東京) |
2024年 | 第26回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選 |
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移ろいゆく~うまれ~ 伊集院 正 162.0×162.0cm パネル、和紙、墨、鉛筆、アクリル |
ふと手のひらを眺める そして数十秒・・ 生きているということの不思議を感じた瞬間が、小学生の頃 トイレで用を足している時でした。
そして、今まで様々な人との出会いの中で、やさしさと厳しさに触れながら自分の存在を確かめてきたように思います。
私はその感覚を表現したく 自然の中で時間が流れていくのと同じように生命が紡がれていることを描くテーマとしています。
画材に墨などを使って描画し、和紙と墨との反応が、まるで絵が生きているかのように感じながら制作しています。
墨がにじむ手のひらをじっとみながら 書き 描き
伊集院 正(1975年生まれ 宮崎県在住) | |
1997年 | 宮崎大学美術科 卒業 第51回二紀展 入選 |
2015年 | 個展(UMKギャラリー/宮崎) |
2016年 | 個展(宮崎ブーゲンビリア空港エアポートギャラリー) |
2018年 | 第72回二紀展 奨励賞 |
2019年 | 第14回春季二紀展 新人選抜奨励賞 |
2020年 | 第22回雪梁舎フィレンツェ賞展 入選(同2021・22・24年) 第37回吉井淳二記念大作展 秀作賞(2021年教育長賞、23年吉井淳二賞) |
2021年 | 第12回熊谷守一大賞展 奨励賞 |
2022年 | 第75回二紀展 優賞 |
2023年 | 個展(宮崎ブーゲンビリア空港エアポートギャラリー) 第7回青木繁記念大賞ビエンナーレ 入選 第78回南日本美術展 海童賞 |
2024年 | 第41回吉井淳二記念大作展 大賞 |
他 | 個展・グループ展 |
現在 | 二紀会準会員 |
孫 叡 | SICKO MODE |
卜 夢葉 | 心に残る本屋 |
高橋 周平 | 生きる対価をよこしなよ |
飯田 菜津美 | 交差するものたち |
伊集院 正 | 移ろいゆく~うまれ~ |
岡﨑 夏海 | Behind the Gaze(視線の奥) |
金子 貴富 | 道導 |
川島 めぐみ | ぼくのおしごと |
草間 奈瑠美 | きっと大丈夫 |
徐 莉 | 跡Ⅱ |
張 碧旋 | 透 |
野中 郁見 | A Tea Party |
𠮷間 春樹 | 斜陽 |
李 丹 | フラゴメントの器 |
五十嵐 朋子 | 汀 |
上野 琴音 | 余韻を分かつ |
上本 佳朋 | キオクの軌跡 |
王 瑋 | 時間の隙間 |
小山内 愛美 | 晩秋を待ちわびて |
河辺 依莉乃 | moment. |
久保 遥 | 人形あそび |
奚 嘉麗 | 容器として生きる |
荊 希文 | 砂浜の住民 |
酒井 貴輝 | 今もまだ |
紫月 紫 | 懐かしき通学路 |
新藤 美希 | 冬一番 |
関 佳奈子 | こもれびの道しるべ |
武雄 文子 | trace-Eri- |
永田 恭子 | 継続 |
野田 将太 | 或る人の |
野中 美里 | ともりのなかで |
野平 百足 | 椿 |
牧 弘子 | あるがままにしか生きられない |
町田 洋子 | Street View |
松浪 吉樹 | 生涯描きまくりたい |
松本 悠 | 雨の日の名古屋港 |
宮崎 真二 | AI |
森 聡 | 遠くに見える木 |
湯澤 美麻 | 空のうつわ |
吉竹 昌子 | 水槽 |
廖 可柔 | 目端 |
渡邉 亜美 | 海 |
(敬称略)