かざみどり巻頭文

九州進出

九州への進出を決め、昨年9月に福岡県大牟田市に39,600坪の流通センターの用地を譲り受けた。おかげさまで、今期末には予定通りの30店舗の開店を見ることができるであろう。
  九州センターの地鎮祭は7月7日に決め準備を進めていた。暴風雨に見舞われていたが前日から雨はあがり、当日は大牟田神社様より丁寧な地鎮の儀を行っていただいた。
  ここは、福岡県から宮崎、鹿児島に通じる九州自動車道と、大分から長崎に横断する高速道の交差地点から少し南下した熊本の手前に位置し、南関インターチェンジからわずか1キロメートル、いわば九州の心臓部にあたるところにある。
  九州は日本の人口の約10%が住み、農業や畜産では20%の生産量を持つ恵まれた地域であり、中国や韓国、台湾に近く、昔から貿易が盛んである。最近話題になっているトヨタ自動車の進出をはじめ各産業の進出もあり、これから発展するであろう九州への出店に大いに期待をかけている。
  現在、九州のホームセンターはほとんど地元企業で占められており、本州からの進出はない。海を隔てての出店は、中途半端な政策では成功しないからであろう。
  わが社は、8カ所目の流通センターで、最大の広さと設備を持ち、各取引メーカーや問屋さんの物流の希望もお聞きし、対応できる機能を構築していく。
  そして、20数年かけてきた物流体制とシステム構築、それに商品開発の経験からわが社の得意なハード&グリーンを、まず先行して出店していく。
  日本のホームセンターを見ていて不思議に思うのは、業態としての形が決まっていないということだ。他の業態では、スーパーマーケットであれば取り扱い品目も面積もほとんど同じで、野菜、魚、肉、パン、調味料などが定位置に陳列してある。コンビニエンスストアもドラッグストアも量販店も、業態としての一つの形を持っている。
  ホームセンターの場合は、売場面積が300坪、1,000坪、2,000坪、5,000坪、10,000坪と千差万別。最近では食料品や衣料、医薬品も入り、専門店を集積したそのものの感すらする。これが果たしてホームセンターといえるのだろうか。
  その点から見れば、本物のホームセンターといわれる競争はまだ始まっていないともいえるのであろう。これからが競争であり、どのような業態をつくっていくかが命題なのである。
  自社の目指す方向を明確にし、一筋に打ち込んでいかなければ激しい競争社会に生き残ることはできない。見よう見まねであれこれ手をつけても、結局は徒労に帰すことになるだろう。自社の業態を確立し、1,000店、3,000店とチェーンストアとして流通の革新をはかっていかなければならないのである。
九州商勢圏で本流のホームセンターを深耕していきたい。