かざみどり巻頭文

十八年間のコメリ緑資金

 毎年、立春になるとコメリ緑資金の贈呈式を行う。立春は、新しい春を迎える節目の日でもある。
 日頃お世話になっている出店地域の皆様に、感謝を込めて経常利益の1%を還元させていただいている。おかげさまで、2007年3月期におけるコメリの経常利益は135億4,100万円で、その1%、1億3,541万円を1,095件に贈呈させていただいた。
  振り返って、18年間1%還元運動を行っている。はじめは、出店地域の公共性のある緑化事業を支援するため、申し込みのあった活動を審査し、寄付をさせていただいた。
 その後、農業技術の向上や研究開発事業には継続した支援が必要となり、1996年、財団法人緑育成財団を設立した。若手農業者の研究活動をはじめ、ネパール・ムスタン地域花卉資源調査発掘事業を支援して、ネパール・ムスタン地域花卉資源調査発掘事業は今年、学術書の出版ならびに記念発表会を計画している。
  そして1997年、社員から緑化活動を通じて地域の方々と交流を深め、子どもたちとの触れ合いを図りたいという提案がなされ、お世話になっている地域の小学校や幼稚園の子どもたちと花や木を植える緑資金ボランティア活動が始まった。年々活動件数が増え、今年度は1,029件もの活動を全国で行っている。
  そのようななか、天災の多い日本で、コメリは全国の出店地で災害に遭遇した。緊急物資の支援や早期の営業再開により地域の復旧活動に貢献し、そのなかで、緑化とは趣きが違っているが、むしろ災害対策の充実こそホームセンターとして必要な活動であろうという意見が出て、2005年、コメリ緑資金を運営基盤とするNPO法人コメリ災害対策センターを設立した。全国8カ所の物流センターに緊急支援物資の備蓄を行い、2月末で145の自治体と支援協定を締結している。また、ホームページ上で被災記録のデータベースを構築し、広く公開している。
  おかげさまで、この18年間のコメリの発展は大きく、店数は84店舗が843店舗になり、経常利益も14億6,000万円が135億4,100万円になった。お客様の支持を受け成長し、また世の中も大きく変化してきている。
  これから先、地球の温暖化は深刻な問題である。二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの削減は、世界的な緊急課題となっている。そして、大気汚染やオゾン層の破壊、水質汚染などの環境破壊も進んでいる。
  この20年近い緑資金の活動のなかで、社会から期待される役割も大きく変化している。世の中の情勢に対応し、今までの緑資金の活動のみならず、お世話になった地域への貢献を改めて検討し、より充実した1%還元運動を行っていきたいと思う。企業は社会の公器である。世の中が平和で豊かであることを祈っている。