かざみどり巻頭文

九州一号店

 念願の九州への開店が1月16日である。前日、新潟空港から福岡空港へ乗り入れ、迎えの車で長崎の開店の愛野店に向かう。今年の冬は暖冬で、早春のような山あいを通って2時間ほどで翌日のオープン前の店に着く。すっかり整備が行き届き、店の前は花いっぱいに陳列が終わり美しい。開店の神事のために飾り付けられた紅白の幕、店内では最後のチェックが行われていた。
 店は愛野の交差点にある商業集積地で、本の専門店、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、それに外食産業などが並び、海の見える高台の景勝地にあった。すばらしい地の利である。
 しばらく待って、その町の氏神様の神官が到着され、繁盛祈願を行っていただいた。
 終って、近隣の競合店の報告を聞き、その対策は万全であった。若い幹部社員ががんばって、細かく計画している内容を確かめ嬉しかった。
 今まで出店を続けてきて793店舗。本州から海を隔てた九州へは、物流体制やオペレーション体制に特別の対応をしなければならないこともあって今となった。いよいよ念願のナショナルチェーンとして、最重要地点への出店が明日に迫った。
 翌朝、早朝起床し7時に店に入ったときには、すでに社員は全員揃っている。本日の出店がコメリの歴史に残る大切な開店であると励ました。
 8時の開店を大勢のお客様が待たれて、はるかに想像を超える人の列である。肥料や資材、建材、電動工具、日用品の特売品を買う人たちがごった返している。開店は売れていくことが一番ありがたい。計画の倍は見込めそうな勢いである。
 大安吉日の今日は、九州流通センターの竣工式でもある。有明フェリーで多比良港から長洲港へ向かった。
 海を渡れば大牟田の流通センターまでは1時間で行ってしまう。21日にオープンする高来の2号店を見、建設中の吾妻店を見て大牟田に入る。
 九州流通センターは九州自動車道の南関インター近くの、大牟田テクノパークのなかにある。流通センターは、長崎自動車道、大分自動車道にも近く、九州の交通網の中心にある。白い巨大な建物に赤い鶏のマークが美しい。大牟田市の古賀市長をはじめ、九州経済産業局の山崎次長、福岡県商工部の江口課長、建設業者の人たちが竣工式においでになり、お祓いを受け竣工祝賀式を賑やかに祝っていただいた。
 日をおいて、長崎県に高来店と吾妻店を、熊本県に小川店を、宮崎県に上東店を開店し、17日間に5店舗を開店した。
 九州地区の競合がひしめくなか、念入りに開店計画を実行に移して、予想の150%を超える実績を収めて開店をすることができた。
 九州の出店は好調なすべり出しとなり、今年度末までに九州に21店を加えナショナルチェーンとして出発することができる。ありがたいことである。